人と距離をとって生活すること、それがソーシャルディスタンスである。それが最近、感染対策として広まってきている。そのおかげで普段の生活が快適になった。
スーパーでレジに並ぶときは前の人と間隔をあけ、電車に乗るときはなるべく離れて座るようにする。自分はソーシャルディスタンスが流行るずっと前からこれを実践していたが、流行ってからはさらに意識するようになった。
ソーシャルディスタンスは一人だけでやろうとしてもできないことがある。もし自分がレジで前の人と距離を空けて並んでいても、後ろの人がすぐ近くに並んだら後ろと十分に距離を空けることができない。だからといって後ろの人との距離を空けるために前に詰めれば、前の人との距離が縮まる。さらに後ろの人も前に詰めてきたら、前の人とも後ろの人とも距離が近づくことになってしまう。
背後に立った人間は問答無用で殴り飛ばすゴルゴ13ほどではなくても、すぐ後ろから人の気配がするというのは気になるものだ。自分はパーソナルスペースが広いため人との距離感がかなり気になるのだが、それを全く気にしない人もいる。それがストレスだった。最近ソーシャルディスタンスが広まったおかげで多くの人が距離をとってくれるようになって快適に過ごせている。
電車で近くに人が座ったときは空いている場所へ移動するのに忙しかったのだが、最近は周りの人が距離を空けて座ってくれることが増えた。そのため自分が移動することが少なくなり快適に電車に乗れるようになった。
そもそも他人と距離が近いことはストレスを感じるものだ。武道には間合いというものがあり、一歩踏み込まなければ相手に攻撃が届かない距離=相手がその場でパンチやキックをしても届かないくらいの距離を保つことが大切だとされている。その距離を保てないということはいつでも相手から攻撃を受ける可能性があるということなので安心できるわけがない。
そもそも肩や肘があたったら不快だし、夏は近くにいれば暑いし、他人が吐いた二酸化炭素をなるべく吸いこみたくはない。それにプラスして今は飛沫感染の危険性が高くなることもある。他人に距離をとられたら自分が避けられているようで嫌だと思う人もいるかもしれないが、自分は全くそう思わない。
ソーシャルディスタンスを意識しすぎてバラエティ番組やドラマの中の人の距離感まで気になるようになってきた。顔を近づければ飛沫感染、握手やハグをすれば接触感染、キスやセックスは濃厚接触になるのでもっての他。スキンシップの多い海外ドラマや恋愛ドラマを素直に見られなくなってしまったというデメリットもある。
現実では家庭内での感染が問題になっているので、他人だけでなく家族との距離感にも気を使わなければならない。家族でハグやキスをする文化の人ならそれを制限されることはストレスだろうが、あいにく自分は日本人だ。もともと家族とも接触せず自分の部屋で過ごすことが多かったため、普段の生活はそんなに変わっていない。
自分はソーシャルディスタンスが広まった今の方が生活しやすいので、このままソーシャルディスタンスを続けていこうと思う。ソーシャルディスタンスってすばらしい。