二槽式洗濯機から全自動洗濯機へ

20年以上使っていた二槽式洗濯機をついに全自動洗濯機に買い替えた。別に二層式洗濯機が壊れたわけでも調子が悪くなったわけではない。現役バリバリの二層式洗濯機を手放すことにしたのは、ばあちゃんが肩が痛くて重いものを持ち上げられなくなったからである。


二槽式洗濯機はその名のとおり槽が2つある洗濯機である。洗いとすすぎをする槽、脱水をする槽がありスイッチもそれぞれにある。使い方は、洗いとすすぎをする槽に洗濯物を移して水を溜めスイッチON→脱水する槽に洗濯物を移してスイッチON。これを3回ほど繰り返す。


上記からもわかるように二槽式洗濯機で洗濯をしようと思ったら洗濯機につきっきりになる必要がある。洗いや脱水など1つの行程が終わるまでは目を離していてもよいが、間あいだで人手がいるので全自動洗濯機のようにスイッチONして終了アラームが鳴ったら後は干すだけとはならない。干す前の状態にするために最低でも6回は人手が必要だ。それに脱水前の濡れた洗濯物を脱水の槽に移すのはかなりの重労働である。


二槽式洗濯機は全自動洗濯機と比べて圧倒的に手間がかかる。その代わりに二槽式洗濯機は少量でも洗えたり、自分の好きなように洗ったりできるというメリットがある。例えばTシャツ1枚とズボン1枚でも洗えるし、服の汚れの落ち具合を見ながら洗いの回数や時間を調整できる。汚れのひどいものとそうでないものを分けて洗うのに都合がいい。


泥汚れのついた服を洗うのに汚れの少ないものを洗った水を使いたい場合、二槽式洗濯機なら洗いのスイッチONして終わったら洗濯物を取り出すだけである。全自動洗濯機なら標準モードから洗いのみに設定を変えてスイッチONする必要があるので、ちょっと操作が複雑になる。全自動で汚れの具合を確認しながら洗いたい場合は、洗いorすすぎ+脱水に設定を変えなければならないのでちょっと面倒くさい。


あと全自動洗濯機は高さの高いものが多い。設置するスペースが狭いと洗濯機の蓋を開けられなくなる可能性があるので注意だ。また風呂水をポンプで洗濯機に移す時に高低差の問題でうまくいかなくなることがある。風呂の水面の高さが洗濯機の水面の高さより低くなると、ポンプは水を吸い上げられなくなってしまう。まあ一時停止してバケツリレーをすればなんとかはなる。


全自動洗濯機は水の量を調整しにくいというデメリットもある。二槽式は水道から直接水を入れるので、洗濯の途中でも水の量を自由に増やすことができる。しかし全自動は水道と洗濯機が接続されており、洗濯物の重さによって自動的に水の量が決められてしまう。服やタオルならそれでいいのだが、シーツは大きさのわりに軽いためか水の量が少なすぎてうまく洗えてないことがあった。あらかじめシーツに水をしみこませて重くしておくか、多めの水量設定をしておくという対策が必要である。


とまあ不安はあるものの設置スペース上の棚を少しずらすことで入るサイズで蓋が透明の全自動洗濯機を購入した。洗濯の様子が見られるのがちょっと楽しい。


全自動の初期設定がすすぎ一回だったのに驚いた。厳密にはシャワーすすぎ+ためすすぎ一回なのだが、それだけで十分にすすげているようだった。二槽式のほうが水を節約できるとか聞くが、これなら全自動のほうが使う水の量が少ない気がする。


あと全自動のほうが洗い上がりの状態がいい。二槽式は脱水のあと洗濯物どうしがぐるぐると絡まっており、ほどいてから干すのに苦労していた。しかし全自動だとほとんど絡まっていない。最後の脱水が終わったあとにほぐしという行程があることも関係しているようだ。まあ20年以上前の洗濯機と最新の洗濯機の性能の差のような気もするが。


総合的に見ると二槽式洗濯機よりは全自動洗濯機のほうが今の自分の家ではメリットが多いと感じたので、変えてよかったと思う。だがこれは20年前以上前の二槽式と最新の全自動を比べている。最新の二槽式と全自動を比べたらやっぱり二槽式じゃないと、と思っているかもしれない。今でも二槽式が絶滅してないということは、全自動には代えられない魅力があるということなのだろう。またいつか二槽式を使う日のために使い方を覚えておきたい。