運動会の思い出

だんだんと涼しくなってきて、近くの中学校で運動会の練習をしているのを見かけるようになってきた9月下旬。そろそろ運動会の季節である。そこで自分の運動会の思い出を振り返ってみる。

 

ちなみに小学校と中学校は運動会、高校や大学は体育祭ということが多い。理由は運動会は先生が企画し指導するから、体育祭は生徒が中心になって作り上げるからだとか。まあ学校によって当てはまらないところもありそうだが。

 

運動が苦手だから運動会が嫌いだという人もいるが、自分はそうでもなかった。50m走は10秒代、体力テストはC判定と決して運動が得意ではなかったが、運動会はそれなりに楽しかった思い出もある。

 

個人競技ではかけっこと障害物競走があったのだが、クラスで50m走のタイムが速い人はかけっこ、遅い人は障害物競走に参加することに。かけっこは純粋に走る速さを競うので、クラスで勝つ確率を高めるためにそうするのは正しい戦略である。

 

自分が参加するのはもちろん障害物競走。それはいいのだがゴール前で風船をおしりで割るというのがちょっと嫌だった。簡単に割れるとおしりが重たいみたいだし、だからといって割れずにもたつくのも恥ずかしいし。

 

練習では風船は準備されておらず、本番一発勝負。スタートでは出遅れたが、ハードル飛びで巻き返して一番はじめに網をくぐり抜け、風船をあっさり割って1位でゴールした。個人競技で自分が1位をとった唯一の思い出である。

 

クラス対抗リレーは足の速い人がヒーローになれる競技。自分のような凡人は順位そのままで次の人にバトンを渡せれば上出来。あとは列に戻って応援するだけ。自分のクラスで2番目に足の速い人が3位から前2人を追い抜いて1位になり、1番足の速い人が1位のままグラウンド四分の一くらいの差をつけた時は盛り上がった。その後のメンバーはその差をキープして結果クラスは1位に。自分が活躍してなくてもなんかテンションが上がった。

 

小中高と定番だったのがつな引き。腰を落として重心を後ろにおくとか、クラスで一番身体の大きい子を最後尾にするとか、工夫したがあまり役に立たなかった。拮抗している間は踏ん張れるが、引っ張られてバランスが崩れると一気に持っていかれる。なかなか奥の深い競技だと思う。

 

クラス全員が縄を持ってピストルの音と同時に引っ張りだす普通の綱引きだけでなくアレンジした綱引きもあった。縄を3本グラウンドの真ん中に置いておいて、生徒は左右のライン内に待機。よーいドンで一斉に走り出して綱をつかみ、より多くの綱を自陣に持ち帰ったクラスが勝ちというもの。

 

3本のうちどの綱をつかむかは自由なので、様子を見ながらどこに行くかを決める。負けそうなところを助けに行ってもいいし、勝ちそうなところに加勢しに行ってもいい。勝負が決まったら他の綱のところに行けるので、早めに勝負を決めると有利になる。3対1とかになるとかなり引きずられてちょっと危なかったりするのだが、スピード感があってやるのも見るのも楽しかった。

 

ムカデ競走は練習が大変だった。つないでいる足は痛いし、よく転ぶし、転ぶと1番前の人が重症になるのが申し訳ない。見るのも足がいっぱい並んでいるのはなんか気持ち悪い。

 

十六人十七脚はちゃんと練習して、1位をとれたのでいい思い出になっている。二人三脚、三人四脚、五人六脚、六人七脚と順番にリレーで走っていき、最後に全員の足をつなぎ合わせて十六人十七脚で走ってゴール。二人三脚をクラスで足の速い2人にやらせたのと、左右どっちの足をだすか混乱しないように、次に出す足を後ろに下げてスタンバイ作戦がよかったと思う。

 

小学校のときは毎年ダンスを踊っていた。音楽も振り付けも先生が考えたもの。いろんな競技の中で練習の時間が1番長かった気がする。慎吾ママのおはロックと銀の星と青いリボンを手につけたこと、世界の国旗を描いたシールを顔に貼って踊ったことは覚えているが、それ以外は記憶にない。

 

6年生だけは組体操をする。短パン裸足でやらされるため、グラウンドの砂利が気になる。扇は難易度低めだが、きれいに見せるにはバランス大事。サボテンは肩車をされて上に立つ側だった。身長の関係で上になったのだが、太っていた時期だったので下の人に申し訳なかった。ピラミッドでは1番下の段だったので、膝に小石が刺さって痛かった。人の上に立ったりするから靴を脱ぐのはわかるが、なぜ長ズボンに靴下じゃだめなのか。

 

中学校のフォークダンスはクラスで付き合っているという噂のある子どうしが踊れるように並び順を変わったりしてた。自分は気になる人もいなかったので踊っているときの感情は無。なぜか制服の黒いスカートで踊らされたので土ぼこりで汚れて洗うのが大変だったという記憶しかない。

 

高校の体育祭では応援合戦か巨大アーチ作りを選ぶ。応援合戦は鮮やかな衣装をまとった集団がドラム缶太鼓の音に合わせて一矢乱れぬ動きをするので見るのは楽しいのだが、練習は地獄。腰を落とした体勢のまま何十分も耐えるトレーニングに耐えられる気がしなかったので、自分はアーチ作りを選択。

 

アーチ作りのほうが人気がなく、同クラスでまじめに参加してるのは自分だけだった。だがそこで趣味の合う他クラスの人と仲良くなれたのでよかった。

 

肝心のアーチ作りは美術部の人が主導してくれるので自分は指示に従うだけ。アーチをデザインした人の腕がよかったので、言われたとおり色を塗ったり銀紙を貼ったりしていくだけで完成し、1位を獲得した。

 

男子がただポリタンクを持ち上げているだけの競技は見るのも暇だし、無理したら肩とか傷めそうだし、やめてやれよと思いながら見ていた。十分くらい耐えてた人はすごいとは思う。

 

部活動対抗リレーは服装と持ち物によるハンデがでかい。木刀を持って袴の裾を持ち上げながら走らなければならない剣道部は圧倒的不利。

 

漫画やアニメでしか見たことない運動会の競技は借り物競走とパン食い競走。親の世代の運動会ではあったらしい。借り物競走は観客から借りたものを落としたり壊したりしたら問題になるし、パン食い競走は衛生やアレルギーの面でなくなったのではないだろうか。

 

社会人になってからは運動会というものと関わることはない。昔は会社の運動会とか地域の運動会とかあったらしいが、最近は全く聞かない。おそらく参加希望者が減っていって廃れたのだろう。

 

今や運動会は学生のためだけのものである。この先自分が運動会に参加することはないだろう。運動会の季節にはたまに過去の運動会の思い出に浸ってみるのもいいかもしれない。