13日の金曜日にジェイソンを見ようと思ったらおばさんの狂った演技に戦慄した

2020年3月13日は金曜日だ。まさに13日の金曜日、思い立ったか吉日ということでレンタルDVD店で「13日の金曜日」を借りてきて見た。ちなみに2020年で13日の金曜日に映画を見る機会は11月にもある。今回惜しくも波にのれなかったとしても11月に再挑戦するチャンスがあるということだ。

 

13日の金曜日」は1980年に公開されたアメリカのホラー映画だ。当時の興行成績がよかったことでシリーズ化されているので、映画を見たことはないけれど13日の金曜日やジェイソンという言葉を聞いたことがある人は多いのではなかろうか。

 

自分が今回見たのは1980年に公開されたシリーズ第1作目。ホッケーマスクで怪力のジェイソンが人を殺しまくる話だと思っていたら、殺人鬼は別人だったので驚いた。しかもツッコミどころが多すぎてあまり怖くない。

 

殺される人数は7人と「エルム街の悪夢」「チャイルド・プレイ」と比べて多いのだが、仕事が早すぎるので恐怖を感じる間がない。しかも殺人鬼はおばさんパメラだ。

 

生き残りが最後の一人になるまで殺人鬼の姿は映されず、みんなはじめに殺人鬼の姿を見た時は警戒することなく普通に話しかけたり、一緒に車に乗ったりしている。そこから殺人鬼はホッケーマスクをかぶっているような異様な見た目ではないことは察したが、まさか成人男性ではなくおばさんだったとは。

 

監視員の怠慢のせいでキャンプ場で息子が溺れて行方不明になった、キャンプ場を続けるなんて許さないというのがパメラの犯行の動機だった。子どもを失った母親の気持ちとしてはわからないでもないが、だからといってキャンプ場に来たというだけのほぼ無関係の若者も殺しまくるのは理解できない。

 

この映画で1番怖かったのは、殺戮シーンではなくパメラがKiller Mammy(殺して、ママ)と繰り返し言い息子と会話しているかのようにふるまう演技だ。言葉で説得できそうな様子は全くなく、無力化するしか彼女を止める方法はないと感じた。

 

だが殺人鬼としての攻撃力はたいしたことはない。ナイフや山刀を持って襲いかかるも、アリスに火掻き棒やフライパンで殴られ倒れる。それでもタフさと不屈の精神で3度くらい起き上がるのだが、最後は自分が持っていた山刀であっさり首を切り落とされる。

 

パメラは嵐の夜の中小屋を行き来して、いつのまにか部屋の中やベッドの下に潜んでいたり、ボーガンを使いこなしたり、死体を運んで窓から投げ入れたりしている。なのでポテンシャルは高いはずなのに、アリスとの闘いでは真正面から突撃するだけでそれを活かせていない。アリスの居場所を見つける索敵能力はすごいが。

 

アリスはパメラを倒したあとになぜか湖に漕ぎ出しボートの上にいるままで夜が明ける。そして悪夢を見て病院で飛び起きるというラスト。その悪夢に出てくるのがこれから先のシリーズで活躍するパメラの息子ジェイソンだ。ホッケーマスクでも怪力でも大男でもなく、自分の期待していた姿のジェイソンではなかったが、見た目はなんとなく不気味だった。

 

メイキング話によると当初ジェイソンを登場させる予定はなかったらしい。撮影を進めていくうちに最後にインパクトが欲しいという理由で、出演することになったと。

 

1作目ではジェイソンは一人も殺していないが、先のシリーズで大活躍するので、これが記念すべきデビュー戦になった。この1作目があったからこそ後のジェイソンが形作られていったのかと思うと感慨深い。13日の金曜日シリーズの次回作で有名になった姿のジェイソンも見てみたいと思った。