使わないものは劣化する

ある夏の日、通ってきた道に謎の黒いゴミが転々と落ちていることに気づいた。なんだろうと思いつまみ上げて見るとペラペラしている。ふと自分が履いているサンダルを見ると中敷きがボロボロになっていた。歩くとサンダルから黒いゴミが生まれていく。

 

原因はこれか。去年履いていた時は何ともなかったのに。どうやら1年間靴箱にしまっている間にサンダルの革が劣化してしまっていたらしい。1年中ほぼ毎日履き続けている革靴はなんともないのに。

 

そういえば、人が住まない家はすぐに劣化すると言う話を聞いたことがある。人が住まないと、家の中の空気が動かなかったり、害虫がたくさん入ってきたり、ホコリが積もったりするために劣化しやすいらしい。

  

靴にも同じような法則があるのかもしれない。単純に考えれば履かずにダメ―ジを受けてない靴のほうが長持ちしそうなものである。だが実際に長持ちしたのは1年中履き続けて酷使している革靴のほうである。使わずに放置しておくよりもずっと使い続けた方が、靴も家も劣化しにくいようだ。

 

人間の体でも同じようなことが言える。しんどいからといってずっと体を動かさないと、筋肉が痩せ衰えて体を動かしにくくなり、最終的には寝たきり状態になってしまう。だからこそ少し無理をしてでも体を動かすことが大切なのだ。どんなものであってもずっと使い続けることが長持ちさせる秘訣なのかもしれない。