時代や学校による就活の違い  

最近の就活の一般的なイメージといえば、卒業を控えた大学生が就活サイトに登録して企業にエントリーシートも提出し、通過したところの面接を受けて内定をゲットするというものだ。何十社、人によっては100社以上の選考を受けて内定をゲットする人もいる。しかし時代や学校が違えば、就活は全く違うものだった。

 

昔の就活には就活サイトというものが存在しなかったため、求人は人づてに聞くか紙に書かれたものを見るしかなかった。おじいちゃんおばあちゃん世代の就活では人づてに求人募集があるということを聞いて、面接を受けにいったらしい。その時はどのような仕事をするかということは教えてくれても、給料や福利厚生などの待遇は一切教えてくれない。そのようなことを聞こうものなら、働く意思がないとみなされて雇ってもらえなかったそうだ。

 

働く条件を確認することは大切だと言われている現代とは違って、条件を聞いたら雇ってもらえない時代があったということは驚きだ。入ってくる求人の情報にも限りがあり、今のようにたくさんの求人を比較検討することもできないので、そうする他なかったのかもしれない。

 

バブル期の就活はとても恵まれたものだったらしい。求人は主に学校に来る。その中から自分の行きたい所を選んで面接を受ける。企業が面接を受けるための交通費をだしてくれるのは当たり前で、それに加えて弁当代やホテル代、中には観光のための費用を出してくれるところもあったそうだ。

 

有名な大学で研究室に入っていた人なんかは、そこに来た求人を選ぶだけで就職できたらしい。バブル期に就活した世代には有名な大学に入っていなくても、有名な企業に入社している人もいる。その世代では就活に苦労したという話はあまり聞いたことがない。

 

最近の就活でも、高校生の就活は大学生とは違っているらしい。求人サイトを使うことはなく、学校に来た求人にいくつか応募するだけで就職先が決まる人もいる。就活サイトによってありとあらゆる求人を比較できるようになった。その代わりに、たくさんの人が同じ求人を見ているため面接を受けても内定を得る確率は低くなった。選択肢が多すぎて、どの求人を選べばよいかわからないという問題もある。

 

情報が限られていた昔の方が就職先を選ぶのにそこまで苦労しなかっただろう。今は就職先を選ぶために自己分析を勧められたりもする。就活サイトを利用すると、学校に求人が送られてくるのとは違って、入る学校で就職先が決まってしまうことがない。入った学校に関係なくすべての人が同じ条件で競い合えるというのは大きなチャンスだと思う。今の就活も昔の就活もよいところと悪いところがある。