第22回俳句甲子園に行ってきた

プレバトを見て俳句に興味がでてきたのと夏井いつき先生を生で見たかったため、俳句甲子園を見に行ってきた。俳句甲子園は全国から集まった高校生5人組が俳句を順番に発表し、作品点と鑑賞点の合計で勝敗を決める。

 

いいなと思ったのは俳句を発表した後にディベートの時間があることだ。お互いのチームが作った俳句に対して、質疑応答をすることで俳句に対する理解が深まったのがよかった。ここでこの言葉を使う意味はあったのか、この助詞は適切かなど、あら探しに聞こえるような質問もあったが、相手チームの質問に答えることでその俳句が何を表現したかったのがよくわかった。

 

高校生が作ったとは思えないような俳句もたくさんあった。ただすきがなく突っ込みどころのない俳句はその後のディベートが少しつまらない。読んですぐにイメージ映像が浮かぶのが良い俳句だと思うが、わかりにくいところのある俳句の方がそのあとのディベートが盛り上がっている気がした。

 

俳句の良いところは限られた文字数で余計な言葉を入れずに表現するところだと思う。たった17音ではなかなか全てを表現しきれないため、読み手の想像にゆだねるところがある。そのため完成した俳句を読んだだけでは作者の伝えたかったことが完璧には分からないことが多い。

 

プレバトは芸能人が自分の作った俳句を発表した後に、その俳句で何を表したかったのかを説明してくれるからおもしろい。俳句によっては伝えたかったことが全く読み取れない時もあるし、自分が読み取ったことと作者が表したかったことが少しずれている場合もある。

 

俳句甲子園でも俳句を作った後にディベートをすることで、俳句で表したかったことがなんとなくわかったのが面白かった。相手高校の俳句を自分がどう読み取ったかを伝え、さらにおすすめのポイントがあったら教えてくださいと言っていた高校生には好感を持った。批判のような言葉は聞いていてあまり気持ちのよいものではない。相手のよいところを認めながら、さらに相手の俳句の良いところを引き出すためのディベートをしようとしていた高校が優勝してよかった。

 

勝戦では先に3勝した高校の優勝が決まったあとに、残る2つの俳句を発表した。そのうちの一つ「恋人も金魚も新しい夜だ」に審査員全員が旗をあげ、私にはこんな俳句は詠めませんとコメントしていたのが面白かった。審査員もちょっと変わったおもしろい俳句を評価するんだな。

 

勝敗は自分がいいなと思った方が負けたり、あんまり好きじゃないと思った方が勝ったりしていた。勝ち負けよりは高校生たちが俳句を作って活発に意見を言い合うというのがいいなと思った。自分も高校生だったら参加してみたいなと思えるような大会だった。