公衆電話が見直されているらしい

公衆電話とは不特定多数が料金を払って自由に使える電話のことである。公衆電話のほとんどはNTT(ドコモ)とKDDIau) が運営している。公衆電話といえば遠くからでも目立つ明るい黄緑色のイメージが強い。だが過去には黄色やピンク、赤などの公衆電話もあったらしい。色は電話の機能によって分けられており黄緑色の公衆電話はテレホンカードが利用できるタイプだったとか。最近見かけた公衆電話は黒を基調としたスタイリッシュなやつだった。

 

自分は公衆電話になんとなく怖いイメージを持っている。なぜならアニメや漫画のトラウマシーンでよく使われているからだ。「PSYREN-サイレン-」では謎世界に飛ばされる場所だった。「ひぐらしのなく頃に」では圭一が警察に連絡しながら息絶えた場所だった。「鋼の錬金術師」では軍の秘密に気づいて連絡しようとしたヒューズが殺された場所だった。

 

公衆電話はガラス張りの個室のなかに設置されているタイプのものが多い。そのタイプだと電話をしている間は背後が無防備になるし、ドアを塞がれるとあっさり追い詰められてしまう。しかも周囲から電話をかけている様子がよく見えるので狙撃されやすい。暗殺者に命を狙われているなら公衆電話を使うのは隙ができるためおすすめしない。

 

電話ボックスの扉が壊れたら出られなくなるという危険もある。人通りの多い道沿いなら閉じ込められたときに助けを求めることができるが、夜など人気のないところで閉じ込められると絶望的だ。そういえば最近閉じ込められた電話ボックスから脱出するゲームが話題になっていたな。

 

ヒューズが軍から隠れて連絡するために公衆電話を使ったように、公衆電話には自分の情報がばれにくい、回線が安定しているというメリットがある。しかし公衆電話はどんどん少なくなっている。1985年に90万台あった公衆電話は2005年には半分以下の40万台、2017年には15万台に。確かに公共の施設や公園でたまに見かけるくらいである。公衆電話が減っているのは携帯電話やスマホを持つ人が増えて公衆電話を使う必要がなくなったからだろう。ちなみに2018年時点で日本国民の95%以上の人が携帯電話かスマホを持っている。

 

そんな公衆電話が災害の時に携帯電話よりつながりやすいという理由から見直されているらしい。携帯はたくさんの人が利用すると通信制限がかかり使えなくなるが、公衆電話に制限がかかることはない。普段は携帯電話を使っている人もいざというときには公衆電話が役に立つということだ。どんなに携帯電話を持つ人が増えても公衆電話が絶滅することはないだろう。

 

電話に限らず便利だからといってなんでも最新のものを使っていたら、いざというときに何もできないということになりかねない。災害対策としては昔使っていたものを備えておいたほうがいいということもあるようだ。だがせっかく物があってもその使い方を知らなければ意味がない。

 

最近の子どもは生まれた時から携帯電話が身近にあるため、一度も公衆電話を使ったことがない子も多いらしい。災害対策として学校で避難訓練をするときに公衆電話の使い方を教えるのもいいかもしれない。

 

公衆電話を使ったことがない子どもだけでなく、過去に使っていたが今はスマホの大人も公衆電話をたまに使っておいたほうがいい。このまえ久しぶりにガラケーを使おうとしたら、電話の切り方がわからなくてあせった。日常的に使ってないものの使い方はすぐ忘れてしまう。

 

スマホに連絡先を登録できるため電話番号を全く覚えていない人も多いらしい。そういう自分もそのうちの一人である。スマホが使えなくなったら電話番号がわからないというのは危険だ。いざという時に連絡をとりたい人の連絡先はメモに書いて持ち歩いていたほうがいいだろう。便利なものに頼りすぎるのではなく適度な距離感でつきあっていきたいと思う。