小さいほどおいしい野菜

大は小を兼ねるということわざがある。たがどんなときでも大きいものが小さいものより優れているわけではない。野菜の中には小さいほどおいしいものがある。


たとえばきゅうり、スナックえんどう、大根葉。きゅうりは大きくなると中心の種の部分の面積が大きくなる。種の部分は水っぽく歯ごたえがない。小さいきゅうりなら中心まで実がつまっておりパキッとした食感を楽しめる。


スナックえんどうは皮ごと食べられる野菜だ。しかし大きくなると皮が固くなりスジが目立ってくる。中の豆がグリンピースくらいの大きさになったスナックえんどうの皮は固すぎて丸ごと食べられない。豆が米粒大くらいの小さいものなら皮はまだ柔らかいのでおいしく食べられる。


大根葉は大根の上の茎と葉の部分のこと。大根を育てようと思ったら大根葉はあまりとれず、大根葉を育てようと思ったら大根は小さくなる。大根葉を収穫するために、葉がよく育ち実は根っこのようになる品種もあるらしい。


大きすぎる大根葉は茎が固くなる。そのためスジが噛み切れず、無理矢理飲み込むしか消化のしようがない。小さいうちなら茎もやわらかく、めんつゆをかけるだけでおいしくいただける。かつおぶしもふりかけると絶品だ。


このように小さいほどおいしい野菜もある。だがスーバーでは店に並べる野菜の大きさが決まっているためか、小さい野菜を見かけることはあまりない。だから自分で育てなければなかなか小さい野菜は食べられない。


自分で育てるのは手間がかかるし、小さいうちに収穫すると食べられる量が減ってしまう。おいしいからと小さい野菜を食べられることは最高の贅沢なのかもしれない。小さい野菜を食べるために家庭菜園をしてみるのもいいと思った。