タピオカブームが熱いので家で作ってタピってみた

今タピオカが熱い。街に出かけるといたるところでタピオカが売られている。もともとタピオカと関係ない和風デザートの店までもがタピオカを出している。今回のタピオカブームは第3次ブームで丸いタピオカがインスタ映えするということから再ブームがきたらしい。

 

東京にできたタピオカランドも話題になっていた。黒いビニールボールを入れたプールがあったり、タピオカドリンク型のかぶりものをかぶって写真を撮ったりできるらしい。球体の丸いものをたくさん集めたスポットで、真っ黒な缶バッチなど狂気の沙汰としか思えないグッズもある。

 

そんなタピオカブームに影響されて急にタピってみたい気分になった。しかし普通に完成したものを買うと値段は高いし量は少ない。そこで家で作るための材料を探すことにした。家で作るといっても原料から作るというわけではない。タピオカが何からできているか知っているだろうか。弾力のある食感と半透明の見た目からイクラなど魚卵のようにも見えるが、タピオカはキャッサバ芋からできている。地理の授業でキャッサバを知った人もいるのではないだろうか。

 

キャッサバは細長い里芋のような見た目で、アフリカや南アメリカなどの熱帯で育ちブラジルでは主食として食べられている。そんなキャッサバはどんな悪い環境でも育つ。乾燥していても酸性でも栄養が貧しい土でも問題ない。茎を地中に刺すだけで育つため、食糧不足を解決することが期待されている。インスタ映えするおしゃれなイメージのタピオカだが、北斗の拳に出てくるような荒野でもたくましく育つのだ。ヒャッハー族に種もみの代わりにキャッサバが奪われることになるかもしれない。

 

ただキャッサバには毒があるので注意が必要である。キャッサバの皮にはシアン化合物が含まれている。コナン君がよくなめている気がする青酸カリもシアン化合物の一つだ。少量でもやばいものなので食べるためには毒抜きが必須であり、皮や芯を除いて加熱して水にさらす必要がある。そんなキャッサバを日本でゼロから育てるのは難易度が高すぎる、ということでもう既にタピオカに加工されているものを探すことにした。

 

タピオカには乾燥のものと冷凍のもの、黒いものと白いものがある。冷凍の黒いものは業務スーパーで売られていた。冷凍したタピオカは硬いが、お湯に30秒ほどさらすとすぐにやわらかくなる。第3次ブームになっているタピオカは大きめの粒の黒いタピオカにミルクティーやフルーツジュースを合わせたものなので、業務スーパーだけで材料を揃えられた。しかし自分は、第一次ブームの白いタピオカにココナッツミルクを合わせたものも食べたくなった。

 

乾燥の白いタピオカがあるという噂を聞いて 100均のSeriaとデパートに行ってみたがどちらも売り切れ。さすが今ブームなだけのことはある。他にも何件かスーパーを回ってみたが見つけられず、KALDIで手に入れた。一緒にココナッツの缶詰も購入。

 

さっそく家に帰って作ってみる。白い乾燥したタピオカは 30分ほどゆでる必要がある。だんだんと色が透明になっていき、完全に透明になるまえに火を止めて水にさらす。芯が残らず柔らかくもなりすぎてないくらいがベスト。あとはココナッツの缶詰を使ってココナッツミルクを作る。ココナッツは脂分が多いためか冷蔵庫で冷やすと固まってしまっていた。仕方がないので中身をなべに入れて溶かし砂糖と牛乳を加える。あとはこれをタピオカと合わせれば完成だ。

 

タピるために休日をまるまるつぶしてしまったが、満足できるほど食べられたので後悔はしていない。むしろ苦労して手に入れたからこそ美味しかったというのもある。牛乳を加えるだけでタピれる商品が発売されなくなってしまったときはショックだったが、今回のことでちょっとがんばればタピれることがわかった。またこれからもちょこちょこタピってみたいと思う。