Webライティングについて思うこと

Webライティングとはインターネット上で公開される記事を書くことである。


今のようにインターネットが普及してない時代は、記事を書くのは雑誌や新聞など紙媒体に載せるためだった。だが最近は書いた記事はインターネット上にアップロードされることが多い。雑誌や新聞の売上がおちているこの頃は紙媒体よりもインターネット上の記事のほうが人目に触れる可能性が高いくらいだ。


そんなWebライティングの仕事は在宅ワーカーと仕事発注者を結びつけるクラウドワークスなどのサイトでよく募集されている。仕事の発注をするのは企業の広報やWeb担当者が多い。彼らは自社のホームページに載せるための記事を依頼する。


本当は自社の社員が記事を書いたほうがいいのだが、他の仕事で手一杯だったり、Google検索で上位表示されやすい記事を書くのが困難だったりするため、外部に依頼するらしい。Webライティングの仕事は文字数によって報酬が決まるので、自社の社員が記事を書くより外部に依頼したほうがコストが低かったりもする。


できた記事は自社のホームページに載せる。そうすることで自社に親しみをもってもらい売上を上げる効果があると言われている。要するに宣伝になるということ。昔は派手な広告や飛び込み営業など多少強引にでもアピールする宣伝が多かったが、近ごろはあまり見なくなった。だんだんと自社の魅力を知ってもらいファンを獲得するような宣伝が増えてきている。


それはいいのだが、企業のホームページに載せた記事が全然関係ない外部の人が書いたものばかりになるのは問題だと思う。依頼された人はすばやく記事を書き上げるために、インターネット上で情報を集める。そしてGoogleで上位検索されるようにするため、検索して上位に出てきた文章を参考にする。


このような記事にオリジナル性は求められない。主観を出してしまうとボツにされ報酬がもらえなくなる。だからといってほとんど同じだとコピー扱いされてペナルティを受けてしまう。そのため内容は同じで文の構成や具体例だけを変えて書くことになり似たような記事が増えていく。


インターネット検索をするときはGoogleで上位に出るものを参考にする人が多い。例えば「葬式 喪服」と検索したとき上位に出てくるサイトは葬儀関係の会社ばかり。お互いに示し合わせでもしたかのように同じような文章が書かれている。


喪服は真っ黒で光沢のないものしかだめとか、女性はスーツのスボンは略式だとか。おそらく企業に依頼されたライターがみんな上位検索して出てくるサイトを参考にして記事を書いたから、ハンコで押したように同じ内容なのだろう。


人の死というのはどんなに年をとっていても動揺するものである。用意周到な人が喪服のワンピースと上着を持ってきたつもりが、夏服ワンピースと冬服ワンピースを持ってきてしまったり、冷静でしっかりしている人がパンツを忘れてきたり、カップ焼きそばのお湯を捨てようとしたら麺も一緒に捨ててしまったり。


いまやインターネットに書いてあることはなんでも正しいと思い込んでいる人もいる。そうでなくてもいくつかの記事に同じ内容が書かれていれば、正しいと多くの人が思ってしまうはずだ。それによって礼儀知らず扱いされて傷つく人もいる。まあ余計なことを言うやつが悪いのだが。


誰がどういう意図でその記事を書いたのかを知っていれば変わるのだろうが、それがわかりにくいものも多い。特に企業のサイトだと誰がその記事を書いたのか顔が見えにくいものが多い。


Webライティングの仕事は在宅でできるという魅力があるが単価の安いものも多い。これらの記事を書く人を責めるつもりはないが、こういう記事に頼る企業が増えるとインターネットはつまらなくなる。主観を入れる口コミなどはもっとあってもいいと思う。もっとインターネットにバラエティ豊かな記事が増えることを願う。