プロフェッショナル仕事の流儀で特集された保健師について語ってみる

プロフェッショナル仕事の流儀で保健師が取り上げられていた。特集されていたのは大阪の役所で働く保健師てある。このコロナ禍にいったいどんな仕事をしているのか気になって視聴した。


全体的な感想としてはいろんなことをやりすぎていていったい何をする人なのかはっきりしないけど、問題を抱えている人を助けようとしているんだなというもの。コロナに関しては濃厚接触者を特定するために電話をかけて聴取する。コロナに感染した可能性が高いと思われたくなくて嘘をつく人もいるので、慎重に聞き取りをしているということはわかった。


そしてそれ以外はマスクをしてビニールシートを張り通常業務をしているということだった。ただ家庭訪問をすることは減ったらしい。そんな通常業務についての紹介は中途半端に終わり、お子さんがアレルギーで体重が減って困っているが薬に抵抗がある母親を説得して病院に行かせることができるかどうかというエピソードに時間が割かれた。確かにこの状況では母親の考え方を変えるのが最善だが父親が空気なのが気になった。育児についてはいつも母親ばかりが取り上げられるのでもっと父親も巻き込んでほしいと思った。


あと自分が双子の子育てをしたときに上司からあなたは大丈夫?と聞かれてから子育て相談をするときに母親のことも気にするようになったというエピソードがあったが、子育て経験がなくてもそのくらい気づけよと思ってしまった。子どもは十人十色なので経験者の子育て経験が別の子にあてはまるとは限らない。経験がなくても勉強していろんな話を聞き想像することができればいい相談相手になれるはずだ。まあテレビ的に美談にしたかっただけかもしれないが。保健指導とはいっても全ての質問に答えるのではなく一緒に考えていく、寄り添うというワードはいいと思う。


保健師の仕事は一言では説明しにくい。国家資格なので専門職というくくりではあるものの専門職っぽくない。スペシャリストというよりジェネラリストというほうがしっくりくる。なにかあったときに対象者と支援者をつなぐ役割をする。対象者は地域に住むすべての人。もともとは地域ごとに担当の保健師がいたが、最近は母子と成人と高齢者というように対象者で分けているところも多い。


予防という視点を大切にしているといいながらも病院受診をすすめることも多い。確かに病院受診が最適な場合もあるが、病院や医師によって対応が違ったりもするので受診をすすめて終わりにするのはよくない気がする。予防を専門にするのなら生活習慣を改善することで病院受診をする人を減らしていくことが大切なんじゃないかと思う。


育児相談については昔は子育てについての情報を手に入れにくかったため情報を伝えることが大切だったかもしれないが、今はインターネットで検索すればいくらでも出てくる。育児についての悩みのほとんどは授乳の回数が多い、子どもが寝ない、よく泣く、など簡単に解決できるような問題ではなかったりもする。まあインターネットで調べすぎて逆に悩むこともあるので相談したほうがいいということもあるが。


ただ話を聞いてもらうだけで心が楽になる人もいる。しかしその話相手が保健師である必要はない。自分だったら家族や友人のほうが気兼ねなく相談できる。行政の人間に相談したら全部記録に残されるし。まあママ友パパ友に話をしたら他の人に噂を広められる可能性もあるので、それよりはましかもしれないが。保健指導の技術も確立されているわけではなく個々の技量によるところが多い。保健師人間性によっては相談して逆に精神的ダメージを受けることもある。


番組では保健師はエッセンシャルワーカーとか最後の砦とか言われていたが必要不可欠ではないと思う。ちゃんとコミュニティがあれば。ただ最近はプライバシーが重視されて地域のコミュニティが少なくなり孤立しやすくなっている。代わりにネット上でのコミュニティは増えている気がするが。自分ではコミュニティに入れない人のために行政がつなぎ役をしているのかも。業務時間内だけの関係だったとしてもそれを求める人のために存在しているのかもしれないと思った。