予防接種システムは早く全国で統一するべきだと思う。なぜかというと予防接種に地域差があってはいけないからだ。公費を使って無料でできる予防接種は自分の知る限り、日本全国どこに住んでいても同じように受けられる。種類も期間も回数も全く同じ。もし自治体によって差があるのなら問題である。
なぜなら予防接種は集団感染を防ぐためのものだからだ。感染症は一人が感染したらその周りの人が感染し、今度は周りの人がさらに周りの人へ感染させるというように一気に広まっていく。予防接種を受けた人には抗体ができて、感染も発症もしにくくなるといわれている。
だから集団感染を防ぐためにはみんなが予防接種を受けることが大切である。最近は赤ちゃんが無料で受けられる予防接種がどんどん増えてきている。知りあいの看護師がいろんな予防接種か始まったころから子どもの入院患者数がかなり減ったと言っていた。
予防接種の手続きは自治体ごとに行っている。赤ちゃんが生まれた親は住民票のある役所に行って予防接種券を受けとらなければならない。その予防接種券には12歳まで受けるものも入っている。12 年もあれば引っ越しすることもあるだろう。
引っ越しして住民票を移したら、たとえすぐ隣の自治体であっても予防接種券を転入先のものに全て差し替えなければならない。券の枚数も種類も全く同じなのにだ。差し替えて変わったところといえば〇〇市の表記と紙のサイズくらい。資源の無駄としか思えない。
予防接種券はだいたい冊子になっている。予防接種券を差し替えるときに既に接種が終わっているものは破り取るのだが、接種したかどうかは母子手帳だけを見て判断する。これってどうかと思う。母子手帳を失くしたり、捨ててしまったりしたら接種したかどうかがわからなくなってしまうからだ。
予防接種を受ける人は予防接種券を病院にわたす。その病院は後日、控えの予防接種券を自治体に送る。自治体はその券を見て、自治体それぞれのシステムに入力しているのだ。そのため引っ越しせずずっと住民票が同じ自治体にある人は問い合わせれば接種したかどうかがわかるのだが、そうでない人はわからない。今の自治体が前の自治体に問い合わせればいいのだが、個人情報ということで電話では教えてくれないし手続きがかなりめんどうくさい。本人が自分の情報を手に入れられないって意味わからん。
そもそもなぜ予防接種のシステムを自治体ごとに作っているのか。全国統一でシステムを作っておけばこんなことにはならないのに。予防接種を受けるのは子どもだけではない。子どものときは無料で予防接種を受けられなかった世代が後から受けることもあるし、医療従事者はB型肝炎、高齢者は肺炎球菌やインフルエンザなどの予防接種を受けている。コロナワクチンはこれから全世代が受けるだろう。
どの予防接種をいつ受けたか正確に覚えている人なんていないから、システムで把握できたほうがいいに決まっている。一生日本に住んでいる人はたくさんいても、一生同じ自治体に留まり続ける人なんて少数派なのだから、日本全国どこに住んでいても同じシステムが使えたほうがいい。
コロナワクチンの予約システムも自治体ごとに異なるものを使っているため、いろんなトラブルがあった。県内の自治体はシステムを同じ業者に依頼しているようなのに、なぜ仕様が統一されていないのか。
この機会に予約と接種記録ができる予防接種システムを全国統一で作ればいい。と思っていたらすでに今年の2月ごろからそういう動きが出ていた。だが今の予防接種法では予防接種は自治体が管理することになっている。そのため国が直接管理するシステムが作れず、新たに作った国のシステムと自治体のシステムを連携させようとしているらしい。
法律のせいで国が一括してシステムを作れないのなら法律を変えたほうがいいと思うのだが。そのせいでシステムの管理が複雑になったり、事務仕事が膨大になるのなら問題である。予防接種システムを全国統一したほうがいいのは確かなんだから、そんな法律はさっさと変えてしまえばいいじゃない。
今は自治体が病院から送られてきた接種券を見てシステムに入力しているから、事務仕事に人手がいるし、実際の接種記録とシステムにタイムラグがある。だから病院で予防接種を受けるタイミングで接種記録をシステムに反映できればいい。赤ちゃんが受ける予防接種は種類が多く受け忘れることもあるので、それを教えてくれるアラート機能もあればいい。そういうことをやっている事例はないのかと思い調べてみると、兵庫県丹波市がいい感じの予防接種システムを作っていた。
参考にできる予防接種システムがあるんだから、あとはそれを全国共通で使えるようにするだけだ。システムを複雑にしないために法律や制度を変えたほうがいいこともある。みんなにメリットのある全国統一の予防接種システムが早く実現されることを願う。
