R-18ってなんだっけ

映画を見ているとPG-12、R-15、R-18という表記をたまに見る。これらは年齢による映画の鑑賞制限を示している。PG-12は小学生以下は見る時に保護者の助言があったほうがいい、R-15は15歳未満は見られない、R-18は18歳未満は見られないということ。


PG-12はちょっと大人向け、R-15はグロ、R-18はエロというイメージ。ただこの映画ってこの鑑賞制限でいいのかと思うことはちょこちょこある。例えば18禁だったノベルゲームFate stay nightの桜ルートを映画化した「Fate/stay night [Heaven’s Feel]II.lost butterfly」はPG-12である。


この映画にはグロもエロもある。グロでは血しぶきとか、切断された指を食べようとしているところとか、影でわかりにくくなってはいるが足がなくなるとか。自分はR-15でもおかしくないと思った。だがそうならない明確な基準があるらしい。胴体が切断されても切り離す描写がなく、切り離された後のシーンだけであれば内臓が出ていてもR-15指定にはならないとか。自分の中のイメージだと内蔵が出ていればアウトな気がする。まあアニメーションなら出血は大して気にならないというのはある。実写だとめちゃくちゃ痛々しく見えたりするが。


エロでは明らかに致していることがわかるシーンがある。もちろん下半身は隠れる構図になっているが、布団の上で裸で抱き合っているしセリフや雰囲気からやっていることはわかる。鑑賞制限の基準によると、ベッドシーンで全裸フルサイズの割り込みショットありならRー18、腰の部分だけ抜けていればRー15。この映画では心だけじゃなくて体もつながりたいというようなきれいなベッドシーンだったので、あまりエロい感じはなかったが、個人的にはR-18でもおかしくないと思った。


PG-12ではあるが、もし自分に子どもがいたとしたら保護者としてどう説明したらいいのかわからないので12歳以上の子でもあまり見せたくはない。ただそれはこの映画が悪いわけではない。映像はめちゃくちゃきれいだしストーリーもいろいろ考えさせられる。18歳以上には全力でおすすめしたい。


映画「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」は全3章なのだが個人的にはこの第2章が1番好きである。アクションシーンのかっこよさでいうなら1章のランサーVSアサシンや3章のライダーVSセイバーのほうがいいのだが、2章は桜のことが1番よく描かれているし印象的なシーンがたくさんある。窓からヒーローのように飛び込んでくる凛とアーチャー、桜がドレスを着てお城でマスコットたちと戯れあめ玉を食べるおとぎ話のような夢から現実世界へ一転、桜に黒い影が上から被さってワンピース姿に、など。


あと桜が士郎の指をなめるシーンの気合いの入りようがすごい。前述のベッドシーンより見てはいけないものを見てしまっている気分にさせられた。乳首や性器が見えていればエロいというわけではない。つくづくこういうものを作れる映画や小説など物語の創作者ってすごいと思う。


映像作品だとどこまで画面に写っているかで鑑賞制限が決まるのは理解できるが、文字や音の表現だと基準がよくわからない。ある恋愛ノベルゲームでは性器にボカシありの画像と文字と声だけの表現にも関わらず押し倒してキスまでならCEROがCで15歳以上対象、セックスしたら18歳未満への販売・貸出禁止だったりした。ゲームは映画とは基準が違うのかもしれない。


グロでもエロでも表現方法については幅があるので適切な鑑賞制限をするのは難しい気がする。それに映画やゲームだと年齢制限があるが、漫画や小説やドラマCDでは聞いたことがない。漫画だと同人誌やイラストコミュニケーションサイトでは創作者が自主的にR-18にしていることがあるが、商業誌ではほとんど見たことがない。過激なベッドシーンのある青年誌や少女マンガ、BLなどは年齢制限なしでいいのか心配になることもある。


映画やゲームも年齢制限があるとはいっても子どもが見ることを完全に禁止することはできない。親や兄姉の買ってきたものを見ることはできるし、最近はネット配信も多いし。自分も親に隠れて見ていた時代があった。だが過激な作品を見たとしても現実(リアル)と作り話(フィクション)の境界線をちゃんと引けていれば問題はない。もし自分が子どもを育てているとしたら積極的には見せたくないが、本人が興味を持っているなら子どもだからというだけで見るのを禁止するのではなく、子どもと感想を言い合ったりしてコミュニケーションをとる時間を大切にしたいと思った。