AVや映画のベッドシーンはファンタジー

AVや映画のベッドシーンが現実とは違ってファンタジーだということはみなさんご存知のとおりだろう。三次元の人間が登場するので現実もこんなものなのかと勘違いしがちだが、彼らは魅せるために演技しているだけである。本番をしているように見えても性器はゴムの模型、精液は片栗粉を溶いた水だったりする。

 

AVだと視聴者を興奮させるために激しい手マンとか高速ピストンとかがよく見られるが、激しくすれば気持ちいいのは間違いである。痛いだけ。身体のどの部分であれ強くこすることが気持ちいいわけがない。実際モザイクの下ではあまり手を動かしてなかったりする。それでも性器が傷ついてしまって撮影を中断することもあるらしい。

 

潮吹きは普通にセックスしてできることではない。潮吹きするためにAVの出演者は撮影前に大量の水を飲んだり、膣に水を入れたりしている。それに医学的には潮吹き=尿であり、色が透明なのは大量の水で薄まっているからである。

 

AVだけでなく映画のベッドシーンでも激しい演出があったりする。男性が女性に性的サービスを行ってお金をもらうという話なのに、股間をガシガシするなんてクレームものだろう。逆に全年齢向けで抱き合っている上半身しか映さない夢見がちできれいなベッドシーンの映画もある。

 

ベッドシーンを描いた作品にはリアルに近いものもあるが、現実とはかけ離れているもののほうが圧倒的に多い。子どもには見せたくないが、大人ならツッコミを入れながら見るのは楽しい。セックスの前に風呂に入ってないとか、コンドームを使ってないとか、すぐ気持ちよくなるとか。それらは現実だとありえないとかは気にならない。痛そうなのや暴力的すぎるのはちょっと引くが。

 

ただ多くの作品で同じように描かれていることは気になる。現実では性的に興奮しているという理由だけで男性器が勃起するわけではないし、セックスで感じているから女性器が濡れるわけでもない。基本的にはローションを使わないと挿入される側は痛いし、挿入する側もあまり気持ちよくない。

 

未経験ならそういう作品を見ているうちにいろいろと想像を膨らませ、イメージを美化してしまうかもしれないが、経験者はセックスに対しての幻想が消えると思う。別にセックスしたからといって相手への愛情が深まるわけでもない。日本人はセックスレスの夫婦が多いことが問題とかいうが、2人でやって楽しいことは他にたくさんあるのだからセックスレスでもいいじゃないかと思う。

 

それにセックスはどうしても挿入される側の負担が大きくなる。初めてセックスした女性の大多数は気持ちよくもないしただ痛いだけ、しかも痛みを数日間ひきずるというデータがある。(気持ちよくて)感じるじゃなくて(痛みを)感じるというのが正しい。何回か経験を重ねても、期間が空くとまた痛みを感じやすくなる。

 

挿入する側は多少締め付けられることがあるとはいえ、強い痛みを感じたり血が出たりすることはない。むしろ締め付けで気持ちよくなりやすいくらい。だから女性よりも男性のほうがセックスをしたいという人が多いのだろうと思う。男性向けのAVが多いのもそういう理由からではないか。

 

ベッドシーンを描く媒体はAVや映画だけでない。漫画やアニメもある。三次元の人間が演じる映像よりは二次元の漫画やアニメのほうが現実とは別物として捉えやすい。とはいっても表現がうまいものもあり、勘違いしそうになることも。

 

全く関係ないネット記事を読んでいてエロ漫画やマッチングアプリの広告ばかり出てくるのにはうんざりだ。それを子どもが見て現実と混同してしまったらと思うとぞっとする。子どもたちには早めにAVや映画やアニメや漫画のベッドシーンはファンタジーであるということは伝えておきたい。