選挙にあまり行く気にならない理由

2021年10月31日の総選挙の日が近づいてきた。この総選挙はAKB48からシングルの楽曲を歌うメンバーを選ぶものではない。日本の政治を担う衆議院の議員を選ぶためのものである。


前回の総選挙は2017年だったから4年ぶりになる。なんかちょっと前にも投票に行ったような気がするが、それは地方選挙らしい。確か名前しか書かなかったような記憶がある。総選挙だったら人の名前と政党名を書くはずである。


衆議院の任期は4年、参議院は6年。参議院は3年ごとに半数が入れ替わるが、衆議院は年で全て入れ替わるため総選挙とよばれている。衆議院のほうが任期が短い代わりに権力が強い。そんな衆議院を選ぶ選挙なのでけっこう重要だというイメージがある。


だがあまり選挙に行く気がおきない。なぜならどこに投票したらいいのかがわからないからだ。選ぶための情報といえばネット上で公開されている候補者の重点政策くらい。他の政党を批判ばかりして具体的な対策案をだしてない人は除く、選挙カーでうるさかった人は除く、顔が悪い人は除く、と消去法で選んでいくしかない。


政党はマニフェストを読んで自分の考えと似ている点が多い党を探すくらい。過去には自民党以外の期待できる党に投票していたが…今回はどうしたものか。原発は将来的に廃止にしてほしいから自民党に投票しないことは決めているが。景気回復のために消費税は下げたほうがいいと思うから、企業も消費者も混乱させるイートイン税を導入したくせに企業の負担が大きいから消費税は下げないと主張している党も除く。


日本では近年の投票率が低いことが話題になっていた。2017年の総選挙で53.68%、特に若者の投票率が低いらしい。ならおじいちゃんおばあちゃん世代はみんな投票に行くのかと思っていたらそうとも限らない。市議会議員を決める地方選挙には行くが、総選挙は知り合いが出てないので投票に行かないという人も。


政治に関心が高いイメージのあるアメリカの投票率は日本+3%くらい。テレビのニュースで候補者の演説をきく大勢の人が集まって盛り上がっている映像をよく見るので、国民のほとんどが選挙に参加しているのだと思っていた。


アメリカでの投票率が低い理由は投票するのがかなり面倒だかららしい。投票するためには事前に申請しないと投票券が送られてこないとか、期日前投票をするには30日以上前に申込しないといけないとか、投票するために長蛇の列に並ばないといけないとか。それと比べると日本では投票券は勝手に送られてくるし、期日前投票はハガキの当日投票できない理由にチェックつけて署名するだけで簡単にできるし、投票は5分も待たずにできるし。投票へのハードルはだいぶ低い。


それなのに日本で選挙がそんなに話題になることはない。盛り上がっているなと感じたのは安倍晋三さんが内閣総理大臣になったときと、2009年に民主党への政権交代があったときくらい。親や友達どうしで政治の話をすることはないし、誰に投票するのか聞くことはなんとなくタブーになっている気がする。


学校でもあまり選挙について学んだ記憶がない。子どものときの選挙の思い出といえば小学生のときに選挙カーに手を振ると「かわいらしい声援ありがとうございます」と言われるので、みんなで手を振るのが流行ったくらい。


あとは大学生のとき割のいい選挙のバイトをやった。開票作業を体育館の2階から双眼鏡で除きながら候補者の名前を読み上げる簡単な仕事で、事前説明の時間も含めて時給900円。無心で名前を読み上げるだけで誰が当選したか全く覚えていない。これらの思い出から学生のあいだに選挙の知識が全く増えてないことがわかる。


昔は選挙権は25歳以上の男子の高額納税者にしか認められておらず、先人たちが選挙権を得るために活動してくれたから18歳以上の全国民が選挙権を持てるようになったことは知っている。


それでもあまり選挙に行く気にならないのは自分が投票してもなにも変わらないだろうと思うから。その地区で選ばれなかった人が自民党だというだけで復活当選するのはどうかと思う。まあこいつには当選させたくないという意志を示すためにとりあえず選挙には行こうと思う。


日本では投票するのは個人の自由だが、投票率が高い国では投票しないと罰金をとられたりするらしい。罰金をとるようにすれば投票率は上がるだろうが、投票率が上がっても政治がよくわからないままではだめな気がする。まずは選挙のやり方を変えていく必要があると思った。せっかく18歳から選挙権を持てるようにしたんだから、もっと学校で政治について学ぶ機会を取り入れてほしい。地元の有権者と話をするとか、政策についてディベートするとか。あと忙しい社会人のためにもっとブログとかSNSを使って政治活動をアピールしてほしい。質問や意見はいつでも送れるように。選挙や政治活動のやり方がさらによりよくなることを願う。