結婚した人の一大イベントといえば結婚式であるが、あまり気乗りがしない。結婚式に呼びたい友達がいないし、大勢の注目を浴びたくないし、かなり金かかるし。パートナーも同意見だったので結婚式はしないことに決めた。
まあでもなにか記念に残ることはやりたいということでフォトウェディングというものがあることを知る。フォトウェディングとはドレスやタキシード、白無垢や袴などの衣装を着て写真撮影をすることである。これなら友達を呼ぶ必要はないし、金も結婚式よりはかからないからいいんじゃないか。
せっかくフォトウェディングするなら洋装も和装もしたい、人目のあるところで撮影したくないので海や観光地じゃなくスタジオで撮影したいと思い、調べてみることに。
フォトウェディングをするならフォトスタジオを選ばなければならない。ネット検索してみるとフォトウェディングを検討している人向けに相談会をしているようだったので、近場にあったスタジオ3件の相談会に予約して行くことにした。
1件目
フォトスタジオは結婚式を行う会社と同じ敷地内にあり、建物に近づいていくとスタッフが出てきて案内してくれた。
席につくとタブレットに個人情報とフォトウェディングに関するアンケートの記入を促される。一通り記入が終わるとスタッフが出てきてプランの説明を始める。
結婚式の会社のサイトに別のフォトウェディングのプランが載っていたことについて聞いてみると、結婚式の会社から委託を受けてやっているので衣裳もスタッフも同じだと。違うのは価格だけ。
結婚式の会社の格安プランは最低ランクの衣裳であるためほとんどは衣裳の追加料金がかかるが、キャンペーンで追加料金は半額になる。
フォトスタジオが出している定額プランは基本料金は高いが衣裳ランクに関わらず料金が一定のためお金を気にせずドレスや着物が選べる。だから気になる衣裳を選んでみて安くなりそうなほうのプランを選べばいいと。
タブレットを見てよさそうな衣装を選んでみたところ、追加料金が半額になっても定額プランのほうが安かった。
選んだドレス1着を試着させてくれたのがよかった。ドレスインナーをつけてビスチェタイプのドレスを着ると胸部がかなり締めつけられるため背筋が伸びることがわかった。
撮影するスタジオとチャペルも見せてくれた。6角形のスタジオは6つの異なるイメージの撮影ができるのがウリで、チャペルは実際の結婚式にも使われていると。
予定通り90分で相談会は終わった。最後にスタッフが他のフォトスタジオも見てから決めてくださいと言ったのが好印象だった。
2件目
フォトスタジオは大きめのホテルの中にあった。15分前くらいにつきそれっぽい場所に行ってみると予約時間まで間があるので外でお待ちくださいと。混雑しているのなら外で待つのはわかるが自分たち以外に客の姿はなし。暇なのでホテルのお土産売り場を眺めていた。
5分前になって席につくと個人情報とフォトウェディングに関するアンケートの記入をさせられる。記入が終わって出てきたスタッフがまず言ったセリフが「どうですか？」来たばかりでなんの説明も受けてないのにそんな抽象的な質問になんと答えろというのか。
黙っているとスタッフはこちらの顔を見ながら微笑むだけ。居心地が悪くなりどうとは？と聞き返すと衣裳の希望とか撮影したい場所とか聞きたかったらしい。それならそう聞けよ。というかそういうことはさっきのアンケートに書いたはずだが見ないのかよ。その後もプランなどの説明をしながらことあるごとに「どうですか？」と聞かれるのがストレスだった。
じゃあ次は衣裳を見せてくださいとか撮影場所に連れて行ってくださいとかずっとこっちがリードさせられていた気がする。ドレスの種類は多く色打掛を2着羽織らせてくれたのはよかったが、色打掛が重いと言ったらスタッフに「それが花嫁衣裳の重みです」と前時代的なことを言われ鳥肌が立った。コロナ対策だということで衣裳に触るための手袋はなぜか青色。
撮影場所のチャペルは普通だったが、スタジオは背景のシートが変わるだけで全く魅力を感じなかった。見積もってもらったところ1件目より10万くらい高いし。他のところも見て考えてみますと伝え店を出たが、スタッフと合わなさ過ぎてここには頼みたくないと思った。
後日、家に手書きの手紙が届きやっぱり合わないと思って破り捨てた。
3件目
フォトスタジオは大階段のある派手な結婚式場の道路の向かい側にあった。10分前くらいに着くと店の外でスタッフが待っている。暇人かよ。予約時間より早いのに急いで行かないといけない気になるからやめてほしい。
席につくと同じように個人情報とフォトウェディングに関するアンケートの記入をする。記入が終わって出てきたスタッフがアンケートを元にプランの説明を始めたのだが、スタジオ撮影を希望しているのに紹介してくるのはロケーション撮影プランだけ。どうやらチャペルはあるがスタジオはないらしい。和装はどこで撮影するのか聞くと和装もチャペルで撮影すると。まじですか。
予算は25万円以下を希望していたが30万円くらいにはなると言われる。もう既にこの時点で嫌な予感がしていたが衣裳が自慢だというのでとりあえず見に行くことに。今日契約すれば衣裳のランクアップ料金が無料になるからと気に入ったドレスを選ぶよう促される。確かにドレスの種類は多かったが自分の理想だった肩が隠れるグリーンのドレスはなかった。それにホームページには試着会とあったのに写真を撮るだけで1着も試着させてくれなかった。
撮影場所もチャペルが見たいと言ったが、道路をわたってすぐの場所にあるにも関わらずタブレット端末で写真を見せるだけ。衣裳を見終わって席に戻ると今日契約できるか確認したいからと撮影に都合のいい日程を聞き出される。言われるがままに希望日を伝えると、スタッフは席を離れそのまま15分待たされる。えっ、どういうこと？
その間に冷静になり相方と話し合って今日契約するのはやめようという結論に。15分後に戻ってきたスタッフはもうちょっと日程確認に時間がかかりますのでお待ちくださいと。いやいやいや、待たされすぎだし今日契約するって言ってないし。今日は帰って考えてみますと伝えると、今契約しないと衣裳ランクアップは無料にならないんですよと迫ってくる。構いませんと言うと何が希望に沿わないか聞き出そうとしてくる。ランクアップ無料になっても予算オーバーだし、スタジオ撮影ができないのが不満だと伝えると提携している会社にスタジオがありますと。でもどんなスタジオかわからないですよねと言うと確認するのでお待ちくださいとまた席を離れるスタッフ。
既に計30分くらい待たされており今の内に帰ろうかと思ったが我慢していると数分後に帰ってきてやっぱりわからないと。帰りますと伝え振り返ることなく店を出た。
1番初めに2時間かかっても大丈夫か確認され大丈夫だと答えたが、日程確認や強引な勧誘で2時間使うとは思わなかった。なんとか今日中に契約させようとするやり方はどうかと思う。来店特典だったギフト券3000円分ももらってないし。
あまりにもイライラしたので翌日不快な対応をされたことと特典を受け取っていないことを伝えるメールを送った。数日後に謝罪のメールとギフト券の郵送があった。
2件目と3件目が候補にならなさすぎて迷うことなく1件目に決めた。ここまでフォトスタジオによって差があるとは思わなかった。都会だともっと候補があると思うので相談会に行くだけでも大変だろう。
3件の相談会に行っただけで疲労困憊である。フォトスタジオが決まってもまだまだこれからプランとか衣装とか決めることはたくさんある。事前準備をしっかりして最高のフォトウェディングにしようと思う。
