タイに3週間行った思い出

大学生のときに3週間のタイスタディツアーに参加したときのことをふり返ってみようと思う。ちなみに自分はこのとき生まれて初めて日本を脱出した。タイ国内での移動ルートはバンコク→チェンライ→チェンカム→チェンマイバンコク。2013年2、3月のことで街中にはセブンイレブンやKFCが見られた。

 

○タイについて
気温は高く1年中30度近くあるが、湿度が低いため過ごしやすい。自分は乾季~暑季に行ったが日本の夏よりも暑くないと感じた。常に半袖一枚でも大丈夫。自分は日焼けと虫よけ対策のために長袖のパーカーも着ていた。2月は乾季だからか3週間で雨が降ったのは一日だけ。言語はタイ語。書き文字は知恵の輪を組み合わせたような形でさっぱりわからない。通貨はバーツ。当時は1バーツ=3円くらいだった。


○飛行機の国際線に乗る
日本から上海を経由してバンコクへ。飛行機の隣の席で話をした景気のいい社長に800元貰った。上海に着いてからの乗り換え待ち時間は8時間以上あったため地下鉄に乗って上海の街まで移動し、もらった800元でタマゴケーキを買って一緒に行った6人で食べた。おいしかった。


○移動方法いろいろ
タクシー、トゥクトゥク、電車、バス、船、バイク、トラック、夜行バスを使って移動する。金額が一番高いのがタクシー。地図を見せて目的地を伝えたが、ちゃんとたどり着けるのかぼったくりされないか乗っている間ずっと不安だった。取り越し苦労だったが。トゥクトゥクは観光客向けのためか電車やバスと比べると値段高め。3人乗りだったが、人を積み重ねるスタイルで無理やり6人乗車した。電車は路線図を見てカードを買って乗る。降りる駅を間違えなければ確実に目的地につくので一番安心して乗っていられた。バスはバス停では減速するだけで完全に止まってくれず小走りで飛び乗らなければならないため、転んで置いていかれないかヒヤヒヤした。船は街中の川を通るので金ぴかの寺やカラフルな建物などが見られて楽しかった。現地の人が運転するバイクの後ろに座ったり、トラックの荷台に乗ったりもした。夜行バスはバンコクからチェンライまでの移動に使った。乗車時間は10時間以上。ジュースやパン、コーヒーのサービスがついていたり、シートがマッサージチェアだったりとサービスが充実していた。


○ゲストハウスに泊まる
ゲストハウスでは見知らぬ人と二段ベッドの上下に寝た。日本でも寝台付きのフェリーに乗った時に二段ベッドで寝た経験はあったが、こっちはカーテンないし布団薄いし開放感が半端ない。貴重品を入れるロッカーは一応あったがセキュリティに不安を感じるものだったので、パスポートは枕の下に置いて寝た。シャワーはあるが清潔感がなくシャンプーも石鹸もない。食事もついてないのでそこらへんで買ってきて共用スペースで食べる。


○タイの大学を見学
幼稚園、小学校、中学校、高校が同じ敷地にある自然を大切にした昔ながらの大学を見学した。敷地内には公園、池、屋根付きのバスケットコート、南国風のプールなどがある。給食を生徒たちが交代で作っていたのはカルチャーショックだった。もう一つ医療系大学も見学した。敷地内に病院のような施設や、薬を製造できる機械がある。食堂にTAKOYAKIと書かれた屋台があるのがシュールだった。


○タイの日本語学科の学生と交流
タイの学生たちの前で日本の医療制度や大学生活について英語でプレゼンテーションした。もちろん原稿を読むだけでいいように準備してから。英語の聞き取りはさっぱりのため質疑応答はなし。その後、日本語学科の学生と交流する。タイ語は「サワディーカ(こんにちは)」と「コップンカー(ありがとう)」しか覚えていなかったが、タイの学生が日本語を話してくれるので普通に日本のことを話すことができた。


○タイのフットマッサージ
30分間200バーツ(約600円)でタイの簡易フットマッサージを体験する。観光地の道の脇に椅子を並べてマッサージしていたので、ちょっと通行人の視線が気になった。腰や足のツボっぽいところを押すなどかなり本格的。日本語で「いたくないですか」と聞いてくれる。 


○タイとラオスの国境に行く
国境にあるプーチーファーという山に行った。日の出の名所として有名で、山の頂きが尖っている。ここにたどり着くまでの道で検問にひっかかった時はびびった。国境が近いので不法入国者や密輸を取り締まっているそうだ。頂上に上る道には楽器を演奏して音楽を聞かせお金をもらう二人の男の子がいた。小さいのに商魂たくましいと感心した。


○タイの飲食店で食事をする
タイの都会には飲食店が充実しており、朝早くから夜遅くまでやっている。食事台の上には調味料が置かれており、注文した料理を自分で好きなように味付けして食べることができる。調味料セットはトウガラシが入った酢(プリックナムソム)、砂糖、砕いたローストピーナッツ、粉末唐辛子=プリッキーファーの4種類。別にナムプラー(魚醤油)の瓶が置かれている店も多かった。自分は辛いのが苦手なので赤い調味料には手を出さなかったが、透明のやつはトウガラシの入りの酢だったようで、なめた時の衝撃は忘れられない。しばらく舌が麻痺して何を食べても辛く感じた。砂糖は日本のものよりも甘くない。ナムプラー(魚醤油)はちょっとクセのあるだし醤油という感じ。


○タイの屋台で食べ物を買って持ち帰りホテルで食べる
タイの都会には屋台が充実しており、肉も魚も野菜も果物も調理したものが売られている。串に刺した焼き魚やカットフルーツが日常的に道沿いで売られているのには驚いた。スイカは日本のものとあまり変わらない。熟れてないマンゴーはきゅうりみたいな味がしておいしくない。ロンガンというライチに似た味の果物がおいしかった。ひと房30バーツ(約90円)と安いし、皮がむぎやすいのもいい。


トムヤムクンを作る
現地の人々と一緒にトムヤムクンを作った。材料はエビ、トウガラシ、レモン、レモングラス、トマト、赤いネギ、カー(しょうがみたい)、バクチー、マックー(レモンみたい)、マックーの葉、キノコ。材料を切って鍋に入れ煮込むだけのスープ料理。トムは甘い、ヤムは辛い、クンはすっぱいという意味らしい。普通食べるのはエビとキノコだけで、残りは味をだすためだけの出汁のような扱いだということがわかった。


○タイのマーケットでお買い物
マーケットとは屋台の集合体のこと。ウィークエンドマーケットやナイトマーケットで買い物をした。食用の虫、ペット用の鳥、アロマや絵画などさまざまな物が売っている。タイでは物を買うときは必ず値切るのが常識らしい。基本的に英語は通じるが、通じなくても電卓の数字を見せるだけで交渉することができる。色とりどりのブレスレットを3つで80バーツ(約240円)、籠目のサンダルを100バーツ(約300円)、花の形をした彫刻のような石けんを200バーツ(約600円)で買った。サンダルはセール品だったようで値切ることはできなかったが、他の物は一緒に行った他のメンバーのぶんも合わせて買うということでいくらか値切ることができた。一番値切ることができたのは伸縮性のある黒と緑のワンピース。350バーツ(約1050円)だったのを値切って275バーツ(約825円)で購入することができた。 


○タイのショッピングセンターへ
建物がいきなり近代的な感じで商品も高いためあまり買う気もなくふらふらしていたところ、銀魂のDVDタイ語バージョンをワゴンの中で発見して衝動的に購入。350バーツ(約1050円)だったので日本でDVDを買うよりだいぶ安い。これがタイで買った一番高額なものとなった。買った巻はちょうどトッシー編の終わりで新八と妖刀の呪いを受けた土方がリングの上でタイ語を叫びながら殴り合う話が収録されていた。日本ではなかなか手に入らないし、タイ語の勉強もできるので買ってよかった。


○タイのトイレを使う
タイのトイレ環境は日本よりだいぶ悪い。街中の公衆トイレは有料のところも。有料なのに汚くトイレットペーパーがついてないのは残念すぎる。無料でもそこそこきれいなトイレもある。タイのトイレの形は日本のトイレの和式に似ているが、足を乗せるところが便器の上という点が違う。トイレットペーパーは流すと詰まってしまうため、便器に入れずに横のゴミ箱に入れる。水は桶ですくって流さなければならない。トイレットペーパーがないトイレでは日本から持参したポケットティッシュを使っていたが、うまく拭けていなかったのか数日間ケツ穴の痛みに苦しめられた。日本のトイレのすばらしさに気づかされた。


NPO活動を知る
NPO活動をしている人の話を聞く。エコトイレを作るために必要最低限の材料を渡して作り方を教える。物をあげるのではなく知識を伝えることで、その場限りの支援ではなく次の世代も助けることになる、というのはなるほどと思った。講師の人を招いてセミナーを開催したりもするそう。テーマは避妊の方法、感染症の予防、村の環境整備、妊婦と子供の生活、農薬の取り扱いと注意事項、飲み水を煮沸した方がよい理由など。


○タイの農村地域でホームステイ
基本的に電気の使えない村で3泊させてもらった。すき間風の入りまくる家の中は基本土足。ベッドは床から浮いており蚊帳で覆われている。シャワーは1日1回で、少し寒いときは足元にあるたらいに薪で沸かした湯を入れて温度調節する。トイレは家から10メートルくらい離れたところにあり、夜は懐中電灯を持って行かないと足元が全く見えなくて危険。食事は切ってゆでただけのかぼちゃとか、焼いて塩をふっただけの魚とか、素材の味を生かしたシンプルなものが多かった。冷蔵庫はないので残り物は戸棚に保管。1日3食で2食置いた残飯は庭に捨てる。すると家の周りに住みついている犬や鶏が食べにくる。鶏はたまに捕まえてさばいて食べる。野菜は家庭菜園で作ったもの、魚は川で取ったもの。ソーラー発電があるため夜は電気がつく。DVDがあり隣の家族と一緒に鑑賞した。朝日と共に5時くらいに目覚め、夜は8、9時に寝る。


他にも金ピカじゃない寺を見に行ったり、沙羅双樹の木を見たり、温泉が湧くという観光地で足湯につかりながらうずら卵を食べたり、ガラケーに象の絵を描いてもらったり、お土産をいろいろ買ったり。雨が降らず、食事がおいしいものが多かったのがよかった。日本ではできない体験ができてよかったと思う。