あまりよくない吹奏楽部の思い出

アニメ『響けユーフォニアム』を吹奏楽部の青春スポコンものを期待して見てみたら、わりと人間関係がギスギスしている話が多かった。真剣に練習するよう言ってた部員を完全無視したとか、上手い後輩ではなく上手くない先輩がソロパートを担当するとか、ソロに選ばれた後輩を選ばれなかった先輩を慕う先輩が責めるとか。

 

なかなかストレスフルな話が多く、自分が吹奏楽部に入っていたころのことを思い出した。自分が高校で入った吹奏楽部は弱小でコンクールの地区予選で銅賞しかとったことないのに、上下関係が厳しくて楽しく演奏もできなかった。顧問の先生は強豪の合唱部と掛け持ちで、吹奏楽部にはたまの合奏のとき指揮をしに来るだけ。

 

ちなみに銅賞というのは3位ではない。コンクールに出場した高校には金賞か銀賞か銅賞のいずれかが与えられるので、銅賞は全体の3分の1以下でダメな方の演奏だったということである。金賞なら上位には違いないが金賞でも予選を通過できないことがありそれをダメ金という。


アニメではオーディションでコンクールに出る人を決めていたが、そんなものはなく自分は中学生のとき吹奏楽部に入っていないという理由だけで外された。そして初心者なのに何も教えてもらえず1人で放置される。暇なので耳に入るコンクール課題曲のメロディー(主旋律)を吹いてみたりしてたら、先輩から呼び出されてコンクール出ないのに吹いてたことを注意されるという恐怖体験をした。指導はしないのに聞き耳は立ててるのかよ。


2年で辞めたがもっとさっさと辞めて他の部活に入っていればよかったと心から思う。吹奏楽部に入ってよかったことは授業を休んで野球応援に行けたのと、楽器の名前に詳しくなったことくらい。

 

トランペット、トロンボーン、ホルン、チューバ、フルート、サックスなど見れば名前を言える。主人公の演奏してる楽器はユーフォニアムじゃなくてユーフォニウムと呼んでいた。調べてみると英語読みかドイツ語読みかの違いでどちらも正しいらしい。

 

アニメで吹奏楽部に弦楽器であるコントラバスの部員がいたので驚いたが、わりとよくあることらしい。自分の高校の吹奏楽部では初心者であまりやる気のない人がコントラバスをやっててすぐ辞めたので一時しか存在せず、珍しいことだと思ってた。

 

コンクールで金賞をとって全国大会出場を目指すか、そんなの関係なく楽しく演奏するかで対立するのはどこの吹奏楽部でもありそう。強豪校は顧問の先生の指導力がすごく、肺活量を鍛えるためにランニングしてるイメージ。

 

アニメでは先生が全国大会出場を目指すかどうかを多数決で決め、一部の反対がありながらも練習量を増やし、コンクールに出る部員をオーディションで決めていくうちにみんなが全国を目指す雰囲気になっていった。受験のためにやめた部員もいたが、残った部員たちが一生懸命に練習して結果が出たのはよかったと思う。

 

吹奏楽部あるあるが多かった。トランペットとチューバではマウスピースの大きさが全然違うとか、マウスピースを水道で洗うとか、管を抜いて内部を掃除しグリスやオイルを塗るとか。練習するのは校舎の周りや空き教室で、合奏では音を合わせるためにチューナーを使いテンポを合わせるためにはメトロノームを使う。

 

吹奏楽部に入っていたことであるあるがわかったり、聞いたことのある曲を聞いたときにテンションが上がったりした。吹奏楽部にはよくない思い出もあるが、それも含めてアニメを楽しめたのでよかった。