タバコを吸うキャラは二次元だけで十分だ

健康増進法が改正されて、2020年4月から原則屋内での喫煙の禁止が義務づけられた。それを受けて自分の職場でも喫煙は室内ではなくベランダで行うようになった。近ごろの法律の改正でこれほどうれしかったことは他にない。


今までも病院や公共の施設では屋内完全禁煙だったが、個人の飲食店や中小企業は個々の判断に任せられていた。そのため壁と扉で区切られている喫煙ルームのない室内で喫煙が行われているところもあり、分煙すらできていなかった。


それが法律によって、個人の飲食店や中小企業でも喫煙ルームのないところは屋内完全禁煙になったのだ。親の仇のようにタバコを憎んでいる自分にとってこれほどうれしいニュースはない。


このような物言いからもわかるように自分は根っからの嫌煙家だ。タバコを吸う人の半径10メートル以内には近づきたくないと思っている。自分はタバコを吸う人のいない家庭て育った。さらに自分の世代は小中学生のときに体育館に集められてタバコはいけない、友達から誘われてもうまく断らなければならないと言い聞かされてきた世代だ。


成人の2人に1人がタバコを吸い、電車の中や病院の待合室でも喫煙OKだった世代の人がタバコをやめられず、今でも吸い続けているのはまだわかる。タバコには依存性があるからだ。しかしタバコはよくないものとさんざん言い聞かされてきた自分の世代でタバコを吸っている人の気持ちは理解できない。タバコ代もばかにならないのになぜわざわざ喫煙するのか。


自分は子どものときの出来事がきっかけで嫌煙家になった。子どものとき親と一緒に買い物に行っていたときのことだ。歩いていたときにすれ違った人が歩きタバコをしていた。自分はその煙を思いっきり吸い込んでしまい咳が止まらなくなった。歩きタバコをしていた人は全く気にせず平気でタバコを吸い続けていた。しばらくして咳が止まったあとも喉に違和感があり気持ち悪かった。


それがあって自分の頭の中ではタバコを吸う人=平気で他人に迷惑をかけるクソ野郎という図式ができあがってしまった。マナーのよい喫煙者もいるのはわかっているのだが、道に大量に捨てられているタバコの吸い殻や、小中学生の朝の通学路で歩きながらタバコを吸っている人をみると、やっぱりタバコは撲滅するしかないと思ってしまう。


タバコの煙が健康に害を与えることは数多くの研究で明らかにされている。タバコを吸っていると喉頭がんや肺がんになるリスクは明らかに高くなる。妊婦が喫煙した場合は奇形のある赤ちゃんが生まれる可能性が2倍になり、大人が赤ちゃんのそばで喫煙した場合には赤ちゃんが突然死する危険性が5倍になる。


タバコを吸うと、本人だけでなく周りの人にも影響があることが問題だ。室内でタバコを吸った場合、換気扇を回していてもタバコの煙はすぐにはなくならないし吸っている人の髪や服、壁や窓にも付着している。それを周りの人が吸い込むと健康に悪影響がある。またタバコの吸い殻をきちんと始末しないと赤ちゃんが間違えて飲み込んでしまい、吐いたりぜいぜい呼吸したりと危険な状態になる。


タバコを吸う本人が影響を受けるのは自己責任だが、吸わない人がタバコによって悪影響を受けることはあってはならない。喫煙する権利を主張する人もいるが職場や家庭内でタバコを吸う場合、他の人への影響をゼロにすることはできないことは理解するべきだ。周りの人に全く迷惑をかけずに喫煙するなら、山の中のポツンと一軒家みたいなところで一人暮らしして人と直接会わないような生活をするしかない。


いまや通信販売が発達しておりパソコン1台あればできる仕事もあるので、人と直接会わずに生活することができる。だが実際、全く人と会わずに生活している喫煙者はあまりいないだろう。今でも喫煙者の多くは職場や家庭内でタバコの煙を撒き散らして周りの人に害を及ぼしている。


嫌煙家としては喫煙者はみんな無人島に住んでほしいと思ってるし、もし友達や恋人がタバコを吸い始めたら嫌われようと憎まれようとタバコをやめさせるつもりだ。自分の好きな人には他人に害を与えることをしてほしくないし、なるべく長生きしてほしいと思う。このように自分はどうあっても三次元のタバコを吸う人間は受け入れられない。だが二次元は別だ。


ルパン三世次元大介銀魂土方十四郎PSYCHO-PASS狡噛慎也 などにとってタバコは欠かせないアイテムだ。はじめからタバコをなんとなく吸っていたキャラもいるが、死んだ同僚を忘れないためなど吸い始めたことに理由があるキャラもいる。


銀魂のアニメ 119話 「タバコは一箱に一、二本馬糞みたいな匂いする奴が入ってる」はおもしろかった。江戸全域でタバコ禁止令が出され土方がタバコを求めて宇宙にまで行く話である。ドラゴンボールの敵のようなキャラを瞬殺するところはギャグ。飲食店で喫煙しようとして店員からすごい顔で見られたり、自動販売機の横で喫煙していたらなんか爆発したり。ニコチン中毒で電柱に頭をぶつけたり煙を吸わせろおおおと苦しむところは必死すぎて笑える。ラストでは禁煙すると言っていた土方だが結局タバコをやめることはできなかったらしい。やっぱり依存性って怖い。


世間のタバコに対する風当たりが強くなったためか、某アニメで高校生がタバコを吸うシーンが黒く塗りつぶされることがあった。20歳以下の喫煙は法律で禁止されているため、昔の作品でもそのまま放送するわけにはいかなくなったのだろう。そのせいで主人公の顔の横に謎の黒い影がずっとつきまとうというシュールな絵面になっていた。

 
成人がタバコを吸うのは法律上問題がないため、成人済の二次元キャラがタバコを吸う姿は今でも普通に放送されている。煙は画面映えするし、タバコを吸う所作が魅力的に見えることもある。自分も二次元のキャラにおいてはタバコを吸うからといってそのキャラを嫌いになることはない。画面の中の煙が見ている人に与える影響はゼロだからだ。二次元のキャラがいくらタバコを吸おうが、部屋の天井や壁がヤニで茶色くなることも、タバコの臭いで気分がわるくなることもない。やっぱりタバコを吸うキャラは二次元だけで十分だと思う。