ドラマ『マルモのおきて』は新しい家族の形を示しているのか

マルモのおきて」は2011年に放送された日本のテレビドラマだ。芦田愛菜ちゃんと鈴木福くんが踊る「マル・マル・モリ・モリ」を知っているぐらいで、放送当時は見ていなかったが、再放送されたのをきっかけに全11話を見てみた。

 

マルモのおきて』は文房具会社に勤める護(マルモ)と双子の薫と友樹の3人を中心にしたストーリーだ。犬ムックがしゃべるところだけややファンタジー。1話ごとにおきてがノートに追加されていく。トラブルを乗り越えて、新しいおきてを作ることで、双子とマルモがだんだん仲良くなっていくのがいい。血のつながりがなくても、一緒に生活することで本当の家族のようになっていくところが微笑ましいと思った。

 

亡くなった親友の忘れ形見を引き取るというなかなか重いテーマだったが、明るい雰囲気でさらっと見ることができる。1 人の独身男性が小学生2 人を育てながら、会社に勤めるのはかなりハードだと思うし、現実的にはお金の問題も大きい。ドラマの中でもランドセルが高すぎるのに驚いたり、小学校の入学準備で裁縫するものが多かったりかなり大変そうだった。

 

3話のランドセルの話が特に印象に残っている。本当の親でも子どもの欲しいものを全て買ってあげるわけではない。マルモが薫の思いに気づきながらもハートのランドセルを買うのではなく、手作りのハートのワッペンをつけてあげたのはよかったと思う。この回の「遠慮は無用」というおきてもシンプルでいい。

 

最終的にマルモは理由あって離れて暮らしていた双子の母親に、双子を返すことを決め、双子はマルモと離れるのを悲しむ。例え本当の母親であっても一緒に過ごした時間が少なければうまく関わるのは難しい。双子はマルモと一緒にいるときが1番楽しそうに見えた。「マルモのおきて」は血のつながりがなくても本当の家族のようになれるということを証明してくれたのではないかと思う。