スクールカーストって確かにあった気がする

ドラマや漫画の中にしかないものだと思っていたが、現実にも存在するものはわりとある。そのうちの一つがスクールカーストだ。


スクールカーストとは学校内で自然に発生する地位のことである。名前はヒンドゥー教カースト制度からきているらしい。主にスクールカーストが発生するのは小学校と中学校と高校。自由に授業を選んで教室を移動する大学ではあまりないといわれている。


スクールカーストには一軍二軍三軍がある。クラスで目立つコミュ力高そうに見えるタイプの子が一軍になる。彼氏彼女持ちが多い。二軍はその他大勢。おとなしくて教室の隅で休み時間を過ごすような子が三軍になることが多い。三軍ならいじめられる可能性が高いのがデメリットである。


あるドラマでは転校生が初日のオドオドとした様子から三軍認定され、同級生からいじめられる。水をかけられたり弁当を捨てられたり学校中を追いかけ回されたり。


自分のいた学校では自分の知る限り幸運なことにドラマのようなひどいじめはなかった。だがスクールカーストを意識するような出来事はあった。


A子が目立つ子たちのグループに話しかけているのを見て、他のグループの子があの子があのグループに入れるわけがないとつぶやく。 

体育の授業のサッカーでA子を推薦してゴールキーパーをやらせておき、点をとられたらその子を責める。

A子に悪口をいって泣かせたクラスで人気者の男子が先生に怒られたと聞いて、クラスで男子をかばいA子と先生を非難する雰囲気になる。


スクールカーストでいうなら目立つ子や悪口をいった男子が一軍で、A子が三軍だったのだろう。あのころはスクールカーストという言葉なんて知らなかったが、今思い返せば確かに見えない階級があった気がする。


そういうお前はどうなんだという話だがメガネ、漫画好き、文化部、彼氏彼女なしという点から察するに三軍だったと思う。休み時間にはクラスの片隅に座って中学生が無人島で殺し合いをする本を読んでいるような子どもだったが、成績がまあまあよかったためか平和な学校生活だった。勉強はしておくものだ。


スクールカーストなど社会人になってしまえばなんの関係もない。アイドルや芸人でスクールカースト三軍だったと公言している人もいる。


社会人になってから子どもの時はいじめられていたという人の話を何人か聞いたことがあるが、みんな精神的に強いという印象だった。職場の労働環境に不満を持って自分が管理職になったとか、上司に働いているところをじっと監視されても気に留めなかったとか、自分をいじめた先生よりもたくさん稼いでたくさん税金を納めていることが自慢だとか。


それらの人たちはいじめた相手に仕返しをするなどということはしない。いじめられたくやしさをバネにして社会的に活躍しているのはかっこいい。自分もムカつく上司や同僚を殴りたいと常に思っているが、実行してしまうと犯罪者になり自分のほうが社会的に損をする。殴るのは想像の中だけにしておいて、自分もくやしさをバネに成長していきたいと思う。