ドラマ『義母と娘のブルース』は義母という言葉のイメージからは想像のつかない心温まる話だった

義母とは血縁関係のない義理の母親のことである。血のつながりのない母親というと、夫と前妻の間にできた子ども愛することができなかったり、子どもより夫を優先したりと、ドロドロした話を想像しがちである。そういえば童話のシンデレラも義母にいじめられていた。しかし『義母と娘のブルース』はそんな心配をよそに、とても心温まる話だった。

 

亜希子はバリバリのキャリアウーマンで、妻を亡くした宮本良一と結婚し、小学生の娘みゆきの母親になる。みゆきは始め亜希子を受け入れられなかったが、亜希子がみゆきのいじめ問題を解決するアドバイスをすることで信頼を得たり、良一の死を二人で乗り越えたり、古びたパン屋を協力して立て直したりして、本当の親子のようになっていく。

 

3話は亜希子がPTAと衝突して一人で運動会を運営しようとする話が、印象に残っている。「私は大事な一人娘にそんな背中を見せたくありません」と自分の意志を貫いてPTA問題に立ち向かう亜希子がかっこいい。PTAでは保護者たちがやる必要があるのか疑問なことを、嫌々やっているところは闇が深い。

 

PTA活動といえば、ベルマークの整理に参加したことがある。労力がかかる割にそれをやって得られる成果は、かなり少なかった。ベルマークがついている商品もだんだんと減ってきたが、今でも集めているところはあるのだろうか。共働きの世帯も増えているので、現実のPTAでも無駄なところは削っていけるといいと思った。

 

仕事などで嫌なことがあって暗い時は、こういう優しい人がたくさん出てくる話を見た方が安心できる。最近のドラマは完全な悪役が出てくることが少ない気がする。亜希子を認める前のPTA会長や、みゆきをからかうヒロキなどむかつくキャラもいたが、後からいい関係になるのがよかった。どのような人にでも、いろいろな面があって関わり方によって良い面が見えてくるというのは、きれいごとだが嫌いじゃない。