高校生が眩しすぎる

高校生が眩しすぎる。笑顔で活き活きと案内するのが眩しい。自分の研究した結果を気怠げに発表するのが眩しい。友達と並んで椅子に座ってパンを食べているのが眩しい。


社会の闇を知らないような純粋な笑顔が眩しい。自分の興味のある研究を思いつくままにしているのが眩しい。何人もの気の合う友達と一緒の時間をあたりまえのように過ごすのが眩しい。


高校の文化祭に行ってそう感じた。アニメや漫画の主人公に高校生が多いのも、高校生の眩しさに惹かれる大人たちが多いからではないだろうか。


だからといって自分が高校生の時に戻りたいかと聞かれると、そんなことはないと答える。楽しい高校生活の思い出は多くないし、やり直したからといって今の自分が大きく変わるとは思えない。


ただ高校生のうちからいろいろなことに挑戦していた人の方が、進路を選ぶ時に迷わないだろう。高校生のうちに商品を売ったり、接客したり、仲間と協力して一つの物を作り出したりする経験は貴重だったんだなと社会人になってから思う。


自分はペーパー試験にそこそこ真面目に取り組み、文化祭や体育祭は適当にこなすという中途半端な高校生活を送っていた。この時に違った高校生活を送っていたら、進路選択も変わっただろうとは思う。


「若いっていいな」自分がこの言葉を言われるのはすごく嫌だったくせに、自分が年をとるとこの言葉が自然に出てくるようになった。


ああ、きっと「若いっていいな」を自分に言った大人たちは、悪気なく自然に出ただけだったんだろう。しかしこの言葉は若さの価値を認めて、今の自分を否定している気がする。高校生は眩しすぎると感じても、あまり使いたくないものだ。