アニメや漫画に出てくる強すぎるヒロイン

最近のアニメや漫画に出てくるヒロインは武闘派が多い気がする。例えば進撃の巨人のミカサは人間だが立体起動装置を使って主人公より大量の巨人を倒している。敵にさらわれそうになった主人公を助けたのもミカサだ。

 

昔のヒロインというと主人公に守られるというイメージが一般的だった。主人公はケンカするなり戦うなりして敵を作るので、その近くにいるヒロインは主人公の敵に襲われたりさらわれたりして危険な目に合うことが多かった。ヤンキー漫画でヒロインが敵対勢力にさらわれることが多いのもそれだ。

 

ヒロインからしたら自分に非はないのに巻き込まれるのは迷惑以外のなにものでもない。自分で戦えばよいという考えもあるが、主人公と関わりがあるだけで特殊な訓練を受けていない一般女性に戦闘能力を求めるのは酷というものだろう。だが最近は戦えるヒロインが多くなり、逆に主人公を助けることさえある。それには女性の社会進出や、草食系男子という言葉など昔ながらの男女のイメージが変わってきた影響もあると思う。

 

ヒロインが颯爽と敵を倒すさまは見ていて気持ちがいい。かわいい子や美人な子が武闘派だと余計に魅力的に見えるし怪力はチャームポイントだと思っている。自分はそういうキャラクターを好きになることが多い。しかしそういう肉体的に強いヒロインばかりが増え過ぎてしまうのもどうかと思う。

 

主人公が成長するために守られるヒロインが必要になることもある。人間は誰かを守ろうとすることで力を発揮することができるものである。「母は強し」という言葉があるが、母親が強くなれるのは子どもという守るべき存在ができるからである。同じように守るべきヒロインがいるからこそ主人公が強くなれることもある。

 

自分の中で理想の守られるヒロインは北斗の拳のユリアだ。北斗の拳の世界は世紀末で男のほとんどは筋肉ムキムキで体格は3割増し。そのため一般的な人間体型のヒロインが戦ったところで勝てる要素は全くない。そのうえユリアは病気で余命がわずかなのだが、悲観せず主人公を信じて待ち続けるという精神的な強さがある。

 

ユリアは無実の人間を殺して自分に金品を与えるシンを戒めるために飛び降り自殺をしようとしたり、ラオウに殺されそうになっても逃げずに受け入れて祈ったり。守られる存在であっても精神的には作中の誰よりも強いと思う。守ってあげたいというよりむしろ守らせてください、あなたのために命を捧げたいと思えるようなヒロインだ。

 

戦えるヒロインはかっこいいが、現実的に女子は体力や体格で劣るためアニメや漫画の中だけの世界だよなあと思ってしまうのもある。現実でも女性格闘家がスポーツ経験の少ない男性に勝つことはよくある。しかしなんの訓練も受けていない一般人の男100人と女100人が殴り合った場合は男チームが勝つだろう。

 

身体測定や体力テストの結果をみてもわかるとおり、女子は平均的に体格も華奢だし筋肉もつきにくいし体力も少ない。武器なしで純粋に殴りあった場合は体格のよい方が強いものだ。ボクシングで体重別に階級を分けているのはこういった理由がある。体格のよい方が打撃の威力が大きくなりやすいし、相手からの攻撃にも耐えやすい。まあただの殴り合いでなく武器を使ったり隙をついたりすれば別なのだが。

 

ヒロインはみんな違ってみんないい。個人的には武闘派のヒロインが好きなのでもっと活躍してほしいと思うが、戦うことだけがヒロインの役割ではない、もっといろいろなヒロインがいていいと思う。守られるだけでも主人公の帰りを待つだけでも話し相手になるだけでも立派なヒロインなのだから。