『アラジン』を十数年ぶりに改めて見た感想

最近、子どものころに見た作品を見ることがよくある。年を重ねてから改めて同じ作品を見直すことで、子どものころとは注目するポイントが変わったり、好きなキャラが変わったりしていることに気づいた。

 

ディズニーアニメの『アラジン』もその一つである。子どものころの記憶では、アラジンは正直者の好青年と言うイメージだった。しかし、今見るといろいろと難がある男だと思った。若くて健康なのに働こうとしない、盗みをしても悪びれない、王宮に住むという夢みがちタイプ。友達がこんな奴と結婚すると聞いたら反対するかもしれない。

 

別に悪いやつではないのだが。子どもにパンを分け与えたり、ジーニーの望みをきいたり優しい一面もある。よくない面もあるが、愛嬌があって人に好かれるところがアラジンの魅力なのかもしれないと思った。アラジンはランプの精ジーニーと魔法の絨毯を味方につけたのがすごい。そのおかげでジャスミンと結婚して夢を叶えた。助けてあげたいと周囲に思わせることができるのは一つの能力だ。

 

ジャスミンは気の強いきれいなお姫様と言うイメージだった。しかし今見直してみると十五歳とは思えないほど大人っぽい。へそ出し肩出し衣装の効果もあるかもしれないが、それだけではない。アリ王子が街で会ったアラジンだと勘づいて鎌をかけたり、アラジンにランプを奪わせるためにジャファーを誘惑したり演技力にも長けている。気が強いだけでなくしたたかさも合わせ持ってるのがジャスミンの魅力だと思った。

 

ジャファーは子どもの時のイメージとほぼ変わらず、根っからの悪党だった。しかも力によってすべてを支配しようとする小物感もある。アラジンの足に重りをつけて海に沈めるシーンと、ジャスミンを砂時計に閉じ込めて生き埋めにしようとするシーンは幼少期のトラウマ。最終的にジャファーが自分で願ってランプの精になり、ランプに吸い込まれるところはまさに自業自得でスカッとした。

 

子どもの時に一番好きなキャラはアラジンだったが、今は魔法の絨毯が好きだ。洞窟の中でアラジンに声をかけられてからずっと忠犬ハチ公のように尽くしている健気さがいい。派手なジーニーの活躍の方が目立つが、魔法の絨毯がなければ。アラジンが夢を叶えることはできなかっただろう。

 

子どもの時に見たアニメを、年を重ねてから改めて見るといろいろ発見があっておもしろい。また他の作品も見直してみようと思った。