ATMという言葉が出たらすぐに警察に通報してください

ショッピングセンターに買い物に行ったときのことである。棚にある商品をなんとなく見ていると館内放送が聞こえてきた。週末で混雑しているため途切れ途切れにしか聴こえないが、どうやら詐欺の注意喚起をしているようだ。


「最近、詐欺の被害が−−−請求することは絶対にありません−−−ATMという言葉が出たらすぐに警察に通報してください」


いやいやいや、それは言い過ぎじゃないか。はっきりと聞き取れた「すぐに警察に通報してください」が衝撃的すぎて、しばらく笑いが止まらなかった。


おそらく市役所の職員を装ってお金を振り込ませる詐欺があるので、その注意喚起をしたかったのだろう。だが本物の市役所の職員でも税金の支払い方法を説明する時にATMという言葉を使うことはあるんじゃないかと思った。それだけで通報されてしまったらやりづらくてしょうがない。


これだけ詐欺という言葉が広まった現代でも、たびたび詐欺の被害があったというニュースをきく。もはやオレオレ詐欺に騙される人はあまりいないだろうが、企業や行政を装ったメール詐欺に騙される人は多そうだ。詐欺の手口は時代に合わせてどんどん進化しているため、どんな人でも騙されてしまう危険性がある。


とはいえATMという言葉を聞いただけで、すぐに警察に通報することを勧めるのはどうなんだ。「ATMという言葉が出たらすぐに警察に通報」だけを聞いたら、詐欺から身を守るためとはいえ過激派の意見のように聞こえる。


高齢者だったり障害を持っていたりで詐欺かどうかの判断が難しい人は、ATMと聞く=警察に通報と決めておくくらいの方が、詐欺の被害を受けにくいのかもしれないが。


そういえばどこかの校長が「女子は子どもを産むべき」と言った発言がニュースで話題になっていた。しかし後で気になって校長の話全体を見てみると、いいことを言っており全く悪い印象は受けなかった。


なにごとも一部だけを見て全体を判断することはできないものだ。今回のことも放送を全部聞いていたらそんなに違和感もなかったのかもしれない。一部を見ただけであせって結論を下すことがないようにしたいと思う。