『未来のミライ』をみて2人目の産後の生活を想像する

金曜ロードショーで『未来のミライ』を見た。2人目の子どもが生まれた共働きの家庭がかなりリアルに描かれていたと思う。妹ミライが生まれたばかりの4歳の男の子くんちゃんの様子が特に印象的だ。

 

映画ではくんちゃんのわがままをこれでもかというほど何度も見せつけられた気がする。両親が自分をかまわないとすぐに「好きくない」という、片づけをするように言うとさらに散らかす、お出かけ前に洗濯中の黄色いズボンを履きたいとだだをこねるなど。自分にかまってくれない両親に怒ってミライにおもちゃをぶつけてしまうのはだめだ。まあ現実の4歳児はあんなものかもしれないが。

 

子どもの時のお母さんとくんちゃんが一緒になって家中を荒らしまわるシーンは活き活きしていて、めちゃくちゃ楽しそうだった。開けっ放しの冷蔵庫や泥で汚れた洗濯物など、後から片づけする親の気持ちを考えるといたたまれない。くんちゃんのワガママさが目立つが、両親にも残念なところがある。下の子にばかり関わる母親や、1人目の時は何もしてなかったため家事や育児で悪戦苦闘する父親など。

 

ぶっちゃけこの映画を見てこれから子育てをしたいと思う人はいるのだろうか。父親が自宅で仕事をできるという環境は恵まれている方なのに、それでも子育てにかなり苦労している様子だった。そもそも両親2人だけで、小さな子ども2人の世話をしなさいというのが無茶ぶりなのではないか。

 

昔はもっと近所どうしのつき合いがあったため、子どもは両親だけでなく地域のみんなで育てていくというようなものだったらしい。近所の人に子どもを預かってもらったり遊んでもらったり。しかし、今は誘拐を心配したりプライバシーを気にしたりするためか、近所の人とあまりつき合わない人が増えてきた。

 

子どもがいないならモノやサービスが充実している現代では、自然災害でも起こらない限り地域で助け合う必要はほとんどない。しかし子どもが生まれるとそういうわけにもいかない。子どもが小さいうちは目を離すことができないが両親2人だけで24時間365日目を離さないことは不可能だ。買い物に行くとき、トイレにこもっているとき、病院に行くときなど子どもを見られないこともあるだろう。

 

最近は近所つき合いが減ったぶんベビーシッターなど子育てに関する有料のサービスが増えてきていると思う。行政でもファミリーサポートなどの制度ができているし。それでもお金を出して子どもを預けるというのはまだ一般的ではなく、家族だけでなんとかしようとする家庭が多い。これでは両親の実家から助けを得ることができない家庭は負担が大きすぎる。

 

田舎だと実家から近い所に家を建てたり、二世帯住宅にしたりする家庭もあるようだ。とりあえず『未来のミライ』から学んだことは、子育てをするときには周囲の人から助けてもらえるような環境を作っておくことが大切だということだ。