どうあがいても絶望の状況で試練を乗り越えるホラーゲームそれがSIREN

SIRENの実況動画を見た。しれん(試練)と書いてサイレンと読む。まさにプレーヤーに試練を与えるゲームだった。実況を見るだけでもそうとう怖かったから一人でプレイするとめちゃくちゃ怖いだろう。キャッチコピーは「どうあがいても絶望」まさにその名の通り登場人物のほぼ全員に救いがないストーリーだった。

 

SIRENは霧の中を歩くゲームだという噂を聞いたことがあって気になっていた。しかし自分はバイオハザードのEASYもクリアできないくらいゲームが下手だ。SIRENはクリア難易度がかなり高いという噂も聞いていたので、自力ではエンドロールまでたどり着ける気がしなかった。そのため実況動画を見ることにした。

 

YouTubeSIRENの実況動画をさがすと、初めから最後まで通しでプレイしている実況者あまり驚かないガッチマンの動画を見つけた。彼は過去にSIRENをプレイしたことのあるらしく、さくさく進めていた。さすがプロは違うなあ。SIRENは条件を満たした状態でステージをクリアしないと先に進むことができない。条件を満たさずにクリアすると同じステージをループし続けることになる。救いのないストーリーの上にループするなんて絶望すぎる。

 

SIRENの特徴はプレーヤーが視界ジャックを使って、敵である屍人との視点で世界を見るところだ。プレーヤーは2,3回攻撃を受けるとゲームオーバーになってしまうため、屍人の動きを観察してなるべく見つからないようにプレイしなければならない。ずっとトンカチで壁を叩き続けたり草を刈り続けたりしている屍人は避けて通りやすいが、やっかいなのはスナイパーだ。なぜ山奥の村に狙撃銃を持ったスナイパーがたくさんいるのか。

 

またプレーヤーは一般人なので屍人を倒しまくって先に進むことができない。バイオハザードは鍛えているプレーヤーが銃や手榴弾を使いゾンビを力ずくで倒して進んでいくことができるため、爽快感がある。しかしSIRENは銃を持てるプレーヤーは少なく、火掻き棒や傘やネイルハンマーなど近距離武器が多い。中には武器を持てず隠れて屍人をやり過ごすしかないプレーヤーもいる。敵を倒せないのはストレスがたまるし、見つかったらアウトということから恐怖心が高まる。春海ちゃんが屍人3人家族に見つからないように狭い家の中で行動するステージは怖すぎた。

 

霧が深く視界が悪いのもSIRENの特徴だ。SIRENが発売された2003年は映像技術が未熟だったのをごまかすために霧を入れたらしいが、この霧がいい感じに雰囲気をかもしだしている。霧による視界の悪さのせいで屍人がすぐ近くに来るまで気づかないこともある。屍人になったばかりの人は元の顔が残っているため余計に怖い。元アイドルの美浜が屍人になったばかりの時の顔はトラウマもの。SIRENは登場人物の顔がリアルだなあと思っていたら実在の人物をモデルにしているらしい。自分がモデルになっていたら感情移入しすぎて余計にトラウマになりそうだ。

 

SIRENはプレーヤーとして動かしていた人物がどんどん屍人になっていくところがつらい。志村おじいちゃんが屍人になることから逃れるため自殺するところや、美浜が永遠の若さを求めて自ら赤い水に入っていくところ、自分が屍人になったことに気づいていない知子ちゃんが両親を見かけて近づこうとすると怖がられるシーンが特にしんどい。屍人になったら世界が美しく見えるようになるらしいし、気がつかないうちにみんな屍人になる方が幸せなのかもしれないと思った。

 

唐突に最強装備になって屍人を倒しまくるSDK(須田恭也)が唯一のいやしだった。冷静に考えるとバッドエンドなのだが、ロック系のノリのいい音楽に少し心が癒された気がする。というかSIRENをプレイする時の音楽が怖すぎる。あの音楽だけで精神のHPを削られているかのようだ。ネットではジャガー炎上祭が盛り上がっているらしい。ジャガー炎上祭はある人物の車をただ燃やすだけなのだが、それを目標にすればSIRENをプレイするモチベーションが上がるだろう。

 

最終決戦は怖くはなくラスボスを倒すだけだったので安心した。特定の武器を使ってトドメをさすとトゥルーエンドを見ることができるが、それでも助かったのはたった一人だった。あとはアーカイブを見るとストーリーをより深く考察できる。ちなみにアーカイブはIT用語で複数のファイルを一つにまとめて作成されたファイルのことだ。SIRENアーカイブではゲームの中で手に入れたアイテムの情報を詳しく見ることができる。考察しがいのあるストーリーなのでまた機会があれがば挑戦してみたい。