お一人様を最大限に楽しんで生きる

一人カラオケ、一人旅行、一人ラーメンなど近年はお一人様に優しい社会になってきている気がする。2006年に放送されたドラマ「結婚できない男」ではお一人様を最大限に楽しむ独身男性を阿部寛が演じた。一人焼肉、一人ビアガーデン、一人夏祭り、一人人生ゲームとあまり一人でやっている人がいないことを気にせず楽しんでいるのがいい。周りの目が気になるかもしれないが、人は思ったより他人のことなど気にしていないので自分のやりたいことをやったほうが人生楽しいと思う。


これだけ多種多様な娯楽がある現代では、独身で百年生きても暇を持て余すことはないだろう。そのせいか結婚する人はだんだんと少なくなってきている。結婚するのは当たり前という昔の価値観が変化していきているのもあるかもしれないが。今は結婚して子どもを作らなくても他にやりたいことはいくらでもある。友達ゼロだったとしても一人で遊ぶ方法もいくらでもある。


特に一人旅行はいい。自分の行きたいところに行けるし、人に合わせてあまり欲しくないものを買ってしまうこともない。旅行先で大ゲンカをして友達と疎遠になった過去をもつ身としては、一人旅行を猛烈におすすめする。一人旅行なら旅行の計画を立てる時に自分ばかり苦労していると不満を持つこともないし、同行人の旅行先での体調不良で行きたかった観光地をあきらめることもない。


誰かと一緒に行く旅行も感想を言い合えるとか、写真を撮りやすいとかよい面もある。ツアー旅行ではお一人様だと割増料金になることも多い。最近はお一人様向けのツアーが増えてきたとはいえ、多くのホテルは複数人で泊まることを前提に作られているので、料金が割高になってしまうことは避けられない。だがそれでも一人で旅行に行くほうがメリットは多いと思う。


今はお一人様でいることを選択できるが、昔はそういうわけにはいかなかった。生きていくために誰かと協力することが必要だったからだ。狩りで大型の動物を捕まえるときは仲間が必要だった。狩りに出かけている間は家のものを盗まれないように、家を守る人が必要だった。男性は家事をしてくれる人が必要で、女性は生活費を稼いできてくれる人が必要だったため結婚するしかなかった。


今は生きていくために人と関わる必要がない。お金を持っていればコンビニやスーパーで簡単に食料を得られる。家を守るためには鍵と防犯ガラスがあれば十分だし、それでも不安な人はSECOMすればいい。結婚しなくても家事は家電に任せればいいし、男女関係なく働いて生活費を稼げる。自分の子孫を残すために精子バンクや代理母という選択肢もある。


だから現代なら生まれてから死ぬまでずっとお一人様でも生きていけるのだ。だがどうしても一人ではできないこともある。二人三脚やリレー、野球やテニスなどのスポーツは一人ですることはできない。スポーツは生きていくために必須ではないが、健康を維持するためにやったほうがいい。マラソンや水泳など一人でできるスポーツもあるが、自分の意思では続けられないという人は集団でするスポーツがおすすめだ。一緒にスポーツをする仲間がいれば継続しやすいし。


スポーツを適度にして健康に気を遣っていれば、お一人様で人生百年を生き抜くことも夢じゃない。ただ人と関わらなければ体験できないこともある。一人でできるマラソンやカラオケも、誰かと一緒にすることでまた違う楽しみを味わうことができる。高齢者で他者との関わりがある人ほど健康だという研究結果もある。


人と関わることに疲れたら一度社会から距離をとることもできるのが、現代の魅力だ。お一人様を最大限に楽しみ、時には人との関わりも楽しむことが人生100年時代を生きるコツなのかもしれない。