なぜカロリーベースの食料自給率なのか

スーパーやコンビニでいつでも簡単に食べ物が手に入るため意識したことはなかったが、どうやら日本の食料自給率はかなり低いらしい。他の多くの先進国は100%を超える国が多い中、日本は38%しかないときく。

 

自給率が低いのになぜ日本に食べ物があふれているかというと、海外から輸入しているからだという。日本の食料自給率が低いといわれる根拠に使われるのが、カロリーベースの自給率だ。

 

なぜカロリーベースで食料自給率を計算しているのかは謎だ。カロリーという概念自体が怪しいということはひとまずおいておくとして、食品のカロリーはさまざまである。同じ100グラムでも豚もも肉は200カロリー、みかんは40カロリーと5 倍ほど差があるように、食べ物の量とカロリーは全く比例していない。

 

日本国内だけで生産されているものは米や野菜などが多く、それらはカロリーにあまり貢献していない。そのためカロリーベースの自給率は低いのではないだろうか。日本の食料自給率は生産額ベースではそこまで低い数値ではない。北海道と東北だけだったら問題なく時給自足できるくらいだときく。

 

またカロリーベースの食料自給率の計算では廃棄する量を入れていたり、飼料に外国のものを使っている豚や鶏肉は国産とは扱わなかったりしているらしい。なぜカロリーベースで計算した自給率を重視するのかますます怪しくなってくる。

 

外国から食料が入ってこなくなった時のために日本国内の食料生産能力を高めておくことは大切だと思う。だがカロリーベースの食料自給率が低いからといって必要以上に危機感を持つ必要はないのではないだろうか。

 

日本は海に囲まれており山地が多いため他の先進国と比べて水資源に恵まれている。広い土地はなくても、棚田などを使って産地で農耕をする技術もある。それらを活かして日本の農業を発展させていけば食料が海外から輸入できなくなっても安心して暮らしていけるはすだ。

 

廃棄する食品が多いのは問題なので、まずはそれを解決することが大切だと思う。食べ物を無駄にしたらもったいないし、他の生物から命をいただいているのに申し訳なさすぎる。まずは今ある食料を捨てることなく食べきるようにしてから、少しずつ日本国内で生産する食料を増やしていけばいいと思う。