日本の薬局の数ってコンビニの数より多いらしいよ

日本のどこにでもあるものといえばコンビニや神社、歯科医院などを思いつく。だがそれらに負けず劣らずたくさんあるのが薬局だ。


大病院の周りが薬局だらけになっている光景を見たことはないだろうか。それらの薬局は大病院を受診した患者をターゲットにしている。大病院の周りならなにもしなくても患者が来るため薬局がたくさん作られているのだ。


大病院に行った患者は広い病院を歩き回った後にわざわざ敷地外にある薬局まで歩いて薬を取りにいかなければならない。体調が悪い患者にとっては拷問でしかない。


そして薬局にたどり着いたからといって薬をすぐに受け取れるわけではない。薬局の薬剤師は処方箋を受け取ってからやっと薬の準備を始める。だからたとえ患者が自分1人しかいなくても調剤とチェックが終わるまで待たされることになる。  


さらに薬局では電子カルテも見られないので、医師に聞かれたのと同じ質問をされることもある。確認のためといわれてもめんどうくさいし、体調が悪いときはさっさと帰りたい。


昔は病院内で薬が渡される院内処方が一般的だった。それなのにいつからか病院の外に薬局をつくる院外処方が一般的になった。なぜそうするのかというと診療報酬が3倍になるから。


政府としては病院と薬局を別々にしてそれぞれの専門性を発揮できるようになればよいという思いがあったらしい。だが薬局が病院のすぐ目の前にあるのなら意味がない。移動は面倒だし待ち時間は増えるし、患者にとって病院外の薬局で薬を受け取るメリットはなにもない。


アメリカでは一人ひとりがかかりつけ薬局を登録しており、どの病院を受診しても同じ薬局で薬を受け取ることができる。日本の薬局もアメリカのようであれば存在価値がある気がするが、そうではない。違う病院に行くたびに病院前にある違う薬局に行くよりは、病院内で薬を受け取ったほうがずっといい。


薬局じゃなくて病院内なら薬剤師が電子カルテをチェックできるから、医師と同じ質問をされることもない。病院内なら薬剤師が処方箋を見てすぐに薬を準備することができるから、待たされる時間も少なくなるし。


正直今の日本の薬局には存在価値を見いだせない。最近はお薬手帳を取り入れ始めたらしいが、薬の名前と用量をまとめた紙を貼り付けているだけなので、見てもなんのために薬を飲んでいるのかわからない。薬をいつからいつまで飲んでいるかもわかりにくいし、紙なのでなくしたら終わりである。


せっかく日本でもマイナンバー制度を取り入れたのだから、それと結びつけて国民全員の薬歴を電子データ化して管理すればいいのに。紙で管理するにしても、図表を使ってもっとわかりやすくするべきだ。


せっかく日本にはコンビニの数より多くの薬局があるのに、病院のすぐ前にしかないのはもったいない。住宅街やショッピングセンターの中など、自宅から通いやすい場所にあったほうがいい。


はやく日本の薬局が行って損したではなく、行ってよかったと思えるような場所になることを願う。