店員にイライラした話

「接客業 イライラ」をネット検索すると山のように店員から客への不満が出てくる。商品を入れる袋を出すのに手間取っただけで文句を言われたとか、壁にちょっともたれていただけで態度が悪いと怒られたとか。自分もコンビニの店員が「こんなに買ったのにスプーンを入れてないなんて信じられない」と客に怒鳴られているのを目撃したことがある。ちなみにその人がこんなに買ったという金額は2千円程度。


だがイライラしているのは店員だけではない。客がイライラすることだってある。こんなことがあった。


量り売りしている肉を買おうと列に並んでいたとき。レジは2台あった。次が自分の番で一方のレジが空いたからと前に移動したら、店員からちゃんと列に並んでくださいと言われる。一瞬何を言われたのか理解できず固まっていると、店員はわざわざカウンターから出てきてここに並んでくださいと最後尾を指差す。いやいや私並んでいましたよと主張するが、店員は全く聞き入れず最後尾に並んでくださいの一点張り。らちがあかないのでもういいですといってイライラしながらその場を離れる。


他の店を回っている間に冷静になって考えてみたが、どう考えても自分に非があったとは思えない。自分は列に並んでいたのになぜ店員は並んでないと思ったのか。もしかしたら次の人どうぞと呼ばれる前にレジの前に行ったから、その瞬間だけを見て横入りしたと思ったのではないか。それで並んでないと決めつけたのなら許せない。あのとき後ろの人に私並んでいましたよねと聞くか、防犯カメラで確認してくださいと言えばよかった。


店員も忙しくてイライラしていたのかもしれないが、だからといって無実の罪を着せられたままでは納得がいかない。このまま帰ったらイライラを家族にぶつけてしまう。そう思い空いているタイミングをみてもう一度店に行く。するとさっきの店員は自分の顔を見るなりさっと奥に逃げた。それを見てさらにイライラがおさまらなくなる。そこにいた上司らしき人に事情を説明し、奥にいるさっきの店員を呼ぶように頼む。しかしさっきの店員はなかなか出てこない。逃げるということは謝りたくないということか。


しばらくしてさっきの店員が上司に連れられて出てくる。店員はずっと下を向いており上司だけがすみません、あとで注意しときますからと謝ってくる。店員は一言もしゃべらず、なんで自分が並んでないと決めつけたのかは結局わからないまま帰った。なんだか無性にイライラする出来事だった。


確かにお客様は神様という意識から店員に偉そうにする客がいる。だが客を見た目で判断して態度を変える店員もいる。そうでなくても店員も客も人間なので機嫌が悪いときがあり、お互いにストレスを与えることもある。それを完全に避けるためには人間どうしが直接関わらないシステムを作るしかないのでないかと思った。