公務員の給料について思うこと

昔は公務員は給料が安すぎて共働きじゃないと食っていけないとか言われていたらしいが、近年はそうでもない。民間企業の給料が全体的に下がってきているのに公務員はほぼ変わりないため、今は民間企業会社員より公務員の給料のほうが高い。ハローワークなどの求人情報を見てもわかることだ。


公務員の給料は民間企業の給料の平均を元に決められているらしいが、その平均は従業員50人以上の企業しか対象にしてないとか、同じような従業員数の会社を基準にしているとか。地域差もたいして考慮されてないので田舎では明らかに平均を上回っている。大企業の関連会社などがほとんどない田舎では公務員以外は食っていけない。


公務員は月給以外にも恵まれているところが多いため、民間企業の平均であったとしても生活にはかなりのゆとりがある。公務員しか入れない共済の健康保険料の安さとか、成果も何も出していない公務員への4か月分のボーナスとか、数年前まであった3階建ての年金制度とかツッコみたいところはたくさんある。だがあえて黙っておく。自分が声を上げたいのは成果の出せない公務員は減給しろということである。


公務員の給料を国民が減らせ減らせというから非正規公務員が増えたとかいうやつがいるが、国民が減らせといったのはちゃんと仕事をしない公務員の給料ではないだろうか。ハローワークで紹介状をもらうために窓口に行ったら本当に受けるの?と面倒くさそうな顔をしながら対応してくる公務員、会議でいつも居眠りをしている公務員、一日に何度もタバコ休憩に行き自分の仕事を終わらせず定時に帰る公務員とか。


そういうやつらが高い給料をもらいながら居座り、そのぶんの仕事を非正規公務員が安い給料でやっているというのが現状である。本当に減らしてほしいのは役に立たない公務員の給料なのに、必要な公務員を安月給でこき使うことを国民が望んでいるわけではない。公務員でも学校の先生とか消防士とか公立病院の医療従事者とかちゃんと仕事してる人には十分な給料をもらってほしいと思う。


自分が非正規公務員として働いていた時に何十年も働いているベテランの専門職の人たちが安月給でこき使われているのを見て絶望した。20年以上保育士として働いており子どもたちからも親からも慕われている人が新卒1年目の公務員の初任給と同じ給料でずっと雇われているのは、小学生だっておかしいと言うだろう。


保健福祉の分野には専門職が多い。社会福祉士とかケアマネジャーとか歯科衛生士とか臨床心理士とか助産師とか。彼らは専門性の高い仕事をしているのにそのほとんどが非正規公務員である。専門性の高い仕事はいつも必要なわけではないから非正規で雇うというのは理にかなっているように聞こえるが、やっていることは専門職の使い捨てである。


そしてなんの資格も知識も技術もない正規の公務員が事務職みたいなことをして高い給料をもらっているのには納得がいかない。公務員の仕事には昔からやっているというだけで続けている無駄な仕事もたくさんある。表裏に同じ項目のある手書きしか認められない施設利用の申請書とか、種類が多すぎる事業報告書の作成とか、何十ページもあり誰も読む気にならないような計画書やマニュアル作りとか。


公務員の仕事はIT化が進んでないから大変というわけではない。前例に従っているためか法律に縛られているためか知らないが、誰も得をしない無くなっても困らない仕事をやり続けているからだ。ある市町村の公務員がそれを変えようとしたら法律の壁にぶつかってあきらめたという話を聞いたことがある。なんのための法律だよ、法律のせいなら法律を変えればいいじゃない。


今ある仕事をそのままIT化しても紙の書類でやっていた仕事をパソコンでするだけで仕事の量はあまり変わらない。まずはやっている仕事自体を見直す必要がある。そして仕事をリストアップしてそれに合わせて求人を出すようにする。必要な仕事に合わせて人を雇うジョブ型雇用をすればいいと思う。


窓口対応を非正規にしたら対応がよくなったという事例があったりする。それは給料が少ないからではなくいつ契約を切られるかわからないという緊張感があるからではないか。正規の公務員なら犯罪でも起こさない限りクビを切られないから、窓口対応を改善しようという意識がなく態度が悪かったのだと思う。


公務員は全員ジョブ型雇用の正職員にして行政サービスの成果や住民からの評価によって給料や契約期間を決めるというようにしてはどうだろうか。結果が出せなければ契約は終了。その代わりに働いている期間には十分な給料を支払うというようにしたらよい。第三者に評価してもらうことで不必要な仕事や公務員を削って本当に必要な行政サービスだけをやっていけばよいと思う。