ビジネスマナー研修を4回受けて思うこと

自分は社会人になってから職場を転々としていたこともあり、4回もビジネスマナー研修を受ける機会があった。だいたいは同じような内容で2回目以降は、あー知ってる知ってるということがほとんどだった。


以下に箇条書きで記す。

おしゃれは自分のため、身だしなみは周りのため。服装はそれぞれの職場のルールに従うように。

物の受け渡しは両手で行うと丁寧に見える。

相手を高めて表現する尊敬語、自分や身内を低めて表現する謙譲語、ですますを付ける丁寧語の使い分け。

クッション言葉を使うとよい。恐れ入りますが、お手数ですが、よろしければ、など。

電話対応の流れ。いつもお世話になっておりますからスタート。


マナーではなく知っておくとちょっとためになるようなことも教えてくれた。

人は何に影響を受けやすいのかを示すメラビアンの法則によると視覚55%、聴覚38%、言語7%と言葉の内容よりも見た目や話し方によって人の印象は決まるとか、安心する会話のポジションは相手の真正面ではなく斜め45度だとか。


以前わけのわからない謎マナーを作り出して広めるマナー講師は迷惑だと話題になっていたが、ビジネスマナー研修でそこまで変なマナーは紹介されなかった。まあ実際の仕事で3種類の敬語を使い分けることなんてなかったとか、電話対応で初対面の人にもいつもお世話になっていますと言うのはおかしいのではないかとか、細かいツッコミどころはあるが。ほとんどはちょっと面倒だが相手に不快感を与えないためにはやってもよいかと思うことばかりだった。


ただビジネスマナーを広めるのはマナー講師だけではない。職場の先輩に返信用封筒の〇〇行を〇〇御中に直すように言われて渋々従ったことがある。企業に対する敬称が御中であることは知っていたが、前の職場では処理する数が多すぎてスルーされていたため今回も同様にしていたら注意されたのだ。仕事で見る封筒なんか開封したら即シュレッダーするんだから無駄じゃないかと思いながらも、先輩に言われたら黙って従うしかない。


あまりにも仕事の生産性を下げるようなビジネスマナーは失くしていってもよいのではないかと思う。敬語を気にしすぎていたします合戦になるとか、封筒で郵送するときに文書が1、2枚であっても必ず添書をつけるとか、メールでの時候の挨拶とか。一般的なマナーとしてはあってもよいが、ビジネスマナーとしてはない方がよいものもあるのではないか。


逆に職場のトイレはきれいに使い汚したら自分で掃除するとか、飲み会で夫婦の営みを話題にしないとか、あったほうがいいと思うビジネスマナーもある。個人的には歩きタバコをしてはいけないとか、使用済みマスクを道に捨てたり他人の家に置いて帰ったりしてはいけないというマナーがもっと広がってほしい。


ビジネスマナーは職場でお互いに気持ちよく過ごすためにやっておいたほうがよいことである。メールやチャット、リモートワークなど時代の変化に合わせてビジネスマナーも変化させていくべきだ。一方的にビジネスマナーを教える研修だけではなく、社員どうしで今あるビジネスマナーは必要かどうか、新たに作ったほうがいいビジネスマナーなどについて話し合う機会もあればいいんじゃないかと思う。